本から力をもらっている
──本から得た知識や感動が、つくる音楽に影響を与えることはありますか?
山内 めちゃめちゃあります。誰かの小説を読んで、「自分はここまでの仕事ができているか?」と自分の仕事を見つめ直すこともありますし。だから、精神衛生上いいですね、読書っていうのは。誰かがつくったものを食べる、読む、聴く。それが自分の中にインプットされるのはいいことです。何よりまず、本を読める時間っていうものがすごく幸せです。そんな時間があること、それ自体がすごく幸せなんで……。曲をつくる最初の衝動にはならないかもしれないですけど、何かこう、力をもらってるとは思いますね。
──金澤さんは本からの影響は?
金澤 あると思いますよ。自分の演奏を疑って、それがきっかけで音楽の本も読むようになったので。自分が音を出す理由を、本の中から見つけられることもあるかも。
──加藤さんは当然……。
加藤 僕はもう、当たり前のように読んでしまっています。もはや生活の一部なので、音楽をつくる時も影響が出ていると思います。
金澤 慎ちゃん、すごいっすよ。ちょっとの移動でも、いつも何か読んでる。一週間だとどれくらい?
加藤 え? えーと、週2、3冊。
金澤 うわあ、ずっと読んでるってことじゃん。確かに仕事が終わって帰ろうっていう時に、「ちょっと僕、本屋寄って行くんで」っていなくなるケースが……。
山内 ああ、あるある!(笑)
金澤 5回中4回ぐらい(笑)。
加藤 うん。だから、まとめて買うことがあんまりないかもしれない。マメに店頭に行って買う。平積みのところがどうなってるか見ておきたいっていうのもあるし。まあ、本屋が好きなんでしょうね。
──では最後に、メンバー同士でおすすめし合いたい本を持ってきていただくようお願いしていたんですが……。
山内 はい! おもしろそうやったら借りて帰るよ?
金澤 や、それはちょっと……。僕はこれ、『東京最高のレストラン』だから。折り目入ってるし(笑)。
(編集部注:取材後、山内さんは加藤さんのおすすめ本を本当に借りて帰宅した)
2018.10.13(土)
Text=Shinji Hyogo
Photographs=Akari Nishi
Styling=Takashi Nii
Hair & make-up=Kanae