書籍『選択日記』より、コラムの一部をご紹介
「選択」において人はなぜ失敗してしまうのかを調査研究してみると、そこには理由があることがわかります。人間の認知システムが様々なバイアスによってゆがめられているからです。
ここでは『選択日記』記載のコラムより、これらのバイアスの一部と、バイアスに抗する戦略の一部を紹介します。
【選択のバイアス】
不確かな記憶に頼る直感で選択している人は要注意!
直感が判断のよりどころにするのは記憶。だが、情報の鮮明さや入ってくる順番、頻度に左右される記憶は当てにならないことも多い。
その他大勢と見られることにがまんできない人が多い
周囲から個性的だと見られたい人は多い。その結果、ときには他人の目を気にして自分の意に沿わない選択をしていることも……。
自分にとって都合の悪い情報は排除したがる傾向も
人間は自分の考えが正しいと確認できる情報を受け入れたがる。よりよい選択をしたいなら、都合の悪いことを直視することも必要。
etc……。
【選択の戦略】
誘惑には習慣で対抗し長期的な利益を得る
勉強やダイエットなどの選択に誘惑はつきもの。この場合は「やろうか、やめようか」という選択ではなく習慣にしてしまうのが有効。
理性と直感。双方を満たす選択を目指す
選択肢の良い点と悪い点を書き出し比較検討する「プロコン・リスト」で客観的な判断はつくが、人の感情までは測れない。それぞれの選択肢に対する自分の思いとの最適ゾーンを見つけ出すことが、幸せな選択には必要だ。
etc……。
CREAメイトが実際に挑戦した「選択日記」を
アイエンガー教授と一緒に拝見!
» 第2回 CREAメイト実例1 自分の選択を正解に
» 第3回 CREAメイト実例2 小さな選択も大切に
『選択日記』
アイエンガー教授おすすめの実践プログラムを書籍化。自分の選択に関する情報を直接書き込める。選択を歪める“バイアス”やより良い選択をするための“戦略”に関するコラムも。
シーナ・アイエンガー著・櫻井祐子訳 定価1029円(税込)
2012.08.27(月)
text:Miho Katsuki
photographs:Yasuo Yoshizawa
styling:Masayo Koriyama