肌の中を丸ごと清らかにするのが“純化”
女はみんな、清らかになりたい。「あなたのデスクの上、ぐちゃぐちゃだね」と言われるのが、じつはいちばん恥だと思っている女は多いし、年寄りになるまで“石けん”の香りのする女でありたいのはまぎれもなく女のサガ。
美白だって、デトックスだって、歯のホワイトニングだって、白目を白くする眼薬だって、結局のところ清らかになりたい願望の現れ。さらにはオーガニックへのこだわりや野菜ブーム、酵素ブームだって、元はと言えば、清らか願望の目覚めがもたらしたもの。
もっと言うなら、ヨガから“ラン”までの“体”への回帰もやっぱり清らかな存在への憧れがあると思う。
それもこれも、女は本来が男より清らかで無垢な生き物でなければいけないというDNAに支配されていることを物語る。実際、美しさとは清らかさ。若さも清らかさが大前提になる。歳をとっていくって、要は人間、キタナくなることを意味するから、ともかく存在として清らかになること自体が、イコール“美容”と言ってもいいほど。清らかは重要な重要なテーマなのである。

a モイスチャライジング エッセンス18ml ¥3000、同マスク 19ml×6枚 ¥3000、同乳液(さっぱり/しっとり) 30ml ¥1470/ファンケル
b 同化粧液(さっぱり/しっとり) 30ml ¥1470、同クリーム 18g ¥2300/ファンケル
言ってみれば、“抗酸化”も“ピーリング”も清らか美容。しかしもっとダイレクトに肌の中を丸ごと清らかにしていくという発想のスキンケアが生まれた。
そう、19歳年下の男に求愛されて幸せになった46歳吉田美和が、これぞ“勝利の方程式”と訴えているようなCMを見たはずだ。ファンケルが32年ぶりの 大進化を遂げて掲げた新しいテーマ“純化”こそ、肌の中を丸ごと清らかにすることで、トラブルの起きない若い肌をつくるという、まったく新しいテクニック。抗酸化とも浄化とも違う。肌の中で生まれる“トラブルの元”ストレス因子を消去していくという働きをもったのだ。
そもそも32年前、ファンケルが打ち出して空前の大ブームとなった“無添加”も、やっぱり清らかへの潜在的な願望に化粧品として初めて応えるものだった。肌に有害となる可能性のあるものは、一切排除する。しかもファンケルは、“無添加ケア”を続けている肌が、しだいにアンチエイジングしなくても若返り、美白しなくても、シミ、ソバカスが消えている事実を突き止めてもいる。
この“無添加ケア”を何倍も進化させたのが“純化ケア”なのだ。攻めの“無添加”と言ってもいい。もちろんダメージとなるものは一切排除。その上で肌の中を“純化”によって、清らかに清らかにし、よどみのない衰えのない肌に導いていく、という考え方。
今度のファンケルには、エイジングや保湿ラインはもちろん、美白ラインもニキビラインも男性用のラインまである。“純化”がそれらの効果を大幅に底上げすると考えてもいい。
これから先、化粧品に限らず、生きる上での普遍的テーマは“純化”……そういう時代になるかもしれない。

無添加の良さを届けるべく、「新鮮なうちに使いきれる容量」「つくりたての品質を守る完全密封容器」「製造年月日の表示」といった工夫をブランドデビュー当初から行ってきた、ファンケルの歴代ボトルたち。

Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2012.06.01(金)
CREA 2012年6月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。