世界遺産の歴史地区を歩く

 ソチミルコと合わせて世界遺産に登録されているのが、メキシコ・シティの歴史地区だ。

 アステカ帝国の都にスペイン軍のエルナン・コルテスがやってきたのは1521年のこと。彼がはじめに着手したのがキリスト教を布教するための活動で、「メトロポリタン大聖堂」はメキシコでいちばん古くに造られはじめた聖堂だという。

 遠くアステカの時代から一帯の中心地だった現ソカロ(中央広場)周辺の建物は、コルテス率いるスペイン軍によって破壊され、スペイン風の建物が建てられていく。

 しかし、アステカ時代の建物のすべてを破壊し尽くしたわけではなく、残った一部を埋めたり囲ったりして発展したため、近年の発掘調査によってかつてのアステカ帝国を彷彿とさせる姿を見ることができるようになったという。

 世界遺産に登録されている歴史地区では、古い建物を壊して新しく建て直すことができないため、周辺のレストランやショップは、アンティークな雰囲気を残しつつ新しく内部をリノベーション。新旧のモードが入り混じった、ここにしかない雰囲気をかもしだしている。

 そのひとつが、イサベル・ラ・カトリカ通りに面したホテル「ダウンタウン メキシコ」。17世紀の建物をリノベーションして、17室の客室とルーフトップバー、宿泊者専用の屋上プールを備えたスモールラグジュアリーホテルだ。

 ホテルのほかにメキシコ料理レストランや、メキシコ産カカオを使った話題のチョコラテリア(チョコレート専門店)「ケ  ボ!」、おしゃれな民芸品店やアパレルショップも入居。ぐるりと見てまわるだけでも楽しめる。

Templo Mayor(テンプロ マヨール)

http://www.templomayor.inah.gob.mx/


DownTown México(ダウンタウン メキシコ)

所在地 Isabel la Católica 30 Colonia Centro, C.D.M.X.
https://www.downtownmexico.com/


Azul Restaurante(アスル レストラン)

所在地 Isabel la Católica 30 Colonia Centro, C.D.M.X.
http://azul.rest/

2018.07.23(月)
文・撮影=請川典子