老舗窯元の長谷園が手がける伊賀焼の炊飯土鍋「かまどさん」。自宅で昔ながらのかまど炊きを味わうことができ、現在は予約が半年待ちになるほどの人気商品です。
そんな「かまどさん」の新モデルは、電化した全自動土鍋炊飯器。直火を使わなくてもスイッチひとつで簡単に土鍋ごはんを炊くことができます。
試作器は500個、炊いた米は3トン以上
長谷園×シロカ「かまどさん電気 SR-E111」
79,800円(税抜)
https://siroca.co.jp/kamadosandenki/
長谷園はオール電化の家が増えていく中で、「かまどさん」を電化したいという想いがあったのだそう。そこへ、シロカが「かまどさんの良さをそのまま活かした炊飯器を作りたい」と想いをぶつけたところ、互いの想いが合致し、「かまどさん電気」の開発が始まりました。
「かまどさん電気」は、「かまどさん」と同じく“伊賀の土”で作られた土鍋と、炊飯器がセットになった土鍋炊飯器です。
おいしさのポイントは土鍋に使われる“伊賀の土”。“伊賀の土”には、微生物の化石が含まれています。焼き上げる際にその化石が燃え尽きてできる無数の穴は、余分な水分を吸収し、乾いてくると水分を返してくれる働きを持つのだそう。このように土が呼吸してくれるおかげで、時間が経ってもごはんのおいしさを保てるんです。
しかし、「かまどさん電気」は炊飯器に土鍋を収めなくてはならないため、土の配合から焼き方まで見直し、何度も調整を繰り返したんだとか。
初期の炊飯器の試作器(写真右)と、現行の炊飯器(写真左)。初期の試作器はニクロム線を付けて実験。しかし、土鍋が温まらず失敗。熱が行き渡るよう試行錯誤を繰り返し、現在の土鍋を包む形に定まりました。
完成するまでに作った試作器は500個、炊いた米は3トン以上! これだけの数を試作していたとは……びっくりです。
2018.04.05(木)
文・撮影=善村苑香