Magnificent View #1381
ニンフェンブルク宮殿(ドイツ)

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 12世紀から約740年にもわたり、ドイツのバイエルン地方に君臨したヴィッテルスバッハ家。ミュンヘンには、ゆかりの美しい建物が多く残されている。郊外に立つニンフェンブルク宮殿もそのひとつだ。

 この宮殿は、バイエルン選帝侯だったヴィッテルスバッハ家のフェルディナント・マリア夫妻が、待望のわが子が誕生したことを祝って建てたもの。1675年に完成した後、息子のマクシミリアン2世が拡張。さらにその息子の神聖ローマ皇帝カール7世が庭園とそれを取り囲むバロック建築物を完成させ、現在の姿になった。

 ミュンヘンっ子に愛されているのは、季節の花々が咲く広大な庭園だ。面積は東京ドーム4個分にも匹敵し、園内には小さな宮殿や噴水が点在している。

 白亜の宮殿が池に映る風景は、絵画のよう。建物の中に入れば、さらに圧倒されるだろう。美人画のコレクションがずらりと並ぶギャラリーや、3階まで吹き抜けとなっているロココ様式の大広間など、豪華絢爛な造りに目をみはる。

 まるでおとぎ話から飛び出したように美しくゴージャスなこの宮殿。一角には、今もヴィッテルスバッハ家の子孫が暮らしているそうだ。

Column

今日の絶景

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2018.03.26(月)
文=芹澤和美