俳優たちが語る大杉漣との絆
話を『アウトレイジ 最終章』に戻すと、助演男優賞に選ばれたのは大杉さん、松重豊、大森南朋、ピエール瀧、金田時男の5人。主演男優賞には、西田敏行と塩見三省が輝いた。
それぞれ大杉さんへの思いを口にしたが、松重豊は「本当に残念ですけど、しめっぽいことが嫌いな漣さんなので、晴れやかにいきたいと思います。映画デビューした時、漣さんに映画の楽しさを教えていただいて。『こんな華やかな場所に一緒に立てるんですね』という喜びを、つい4日ほど前に千葉の海で話していました」と語り、「こんな機会を与えてくれてありがとうございます。漣さん、これからも日本の映画を、僕たちを見守ってください。ありがとうございました」と天に向かって明るく感謝の言葉を述べた。
大杉さんや、病から復帰してヤクザを演じた西田敏行と塩見三省らとの仕事を通し、「映画の半分以上は役者さんの力なんですよ。こっちに演出させてくれない迫力があってこそ、いい映画が作れる。それがこの映画」と語った世界の北野。かつては役者は演技をするな、というのが持論だったが、かなり変化したことを自分でも認めていた。
また、下積み時代を互いに知る綾小路きみまろをはじめ、芸人たちへの愛や、ビートたけしショーの側面もたっぷりで、やっぱり何をおいても毎年参加したい、と思わされた。同じことを、是枝裕和監督もスリッパで司会のガダルカナル・タカに叩かれながらも、語っていた。
右:最後におまけ。今年の米アカデミー賞を受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』の監督ギレルモ・デル・トロと、マダムアヤコ。3年前、CSムービープラスでのカンヌ取材時のもの。KAIJUこマスコットのウオ子が、もしや半魚人の元になったのかもしれない。ウオ子、全魚人だけど。
やっぱり、日本で一番重要な映画賞なのは間違いないので、来年はぜひ吾郎ちゃんと草なぎ君にも来てほしいなあ。そしてCREA WEBにも早く登場してね。待ってます!
2018.03.24(土)
文・撮影=石津文子