VIRONといえば、バゲットで有名ですが、私がぜひおすすめしたいのがここのフィナンシェ(221円)。

 フィナンシェは、小麦粉と卵白とアーモンドパウダーとバターをまぜて焼く、実にシンプルなお菓子。シンプルだからこそ、お店によって、出来上がりがまったく違って、おもしろいです。

 フランスのブランジュリーには、たいていあるので、私はパリに遊びに行くと、あちこちの店でフィナンシェを買い集めて、ホテルにもどって、「ひとりフィナンシェ大会」をしたりします。

 国内でも、初めて行くケーキ屋さんでまず買うのは、シュークリームとフィナンシェ。

左から、フィナンシェ・プティ、マドレーヌ、フィナンシェ。香ばしく焼き上がった、“ふち”のコリッとしたところがたまらなくおいしいです

 そんなわけで、これまで、たぶん何十店というお店のフィナンシェを食べた私ですが、その中で、VIRONのフィナンシェはベスト3に入ります。ラベンダーの香りのハチミツを使っているそうで、香ばしくて、いい香りです。

 なんといっても特徴的なのは焼きがしっかりしていること。他のお店に比べると、「焦げてる?」と思うくらいの焼き色で、それがまた、パリの作り方そのものという感じでよいのです。

 パクッと食べると、焦げたバターの香りと風味が、期待をかなり上回るレベルで広がって、外はサクッ、中の生地はしっとり。甘みとしょっぱさと脂肪分的なうま味が一体となって……。あ~、舌の記憶に確実に残る、バターのうま味。

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2012.04.18(水)