米国最古のレストランで
生ハマグリに舌鼓

緑広がるボストンコモン。独立戦争の頃は処刑場だったこともあるという。今ではコンサートなどのイベントも開かれる。

 アメリカ史の一幕を飾るボストンは、このオールドノース教会をはじめ、歴史的な観光スポットを歩いて回れるのがいい。

「フリーダムトレイル」は、レンガによって路面に設けられた赤い線をたどれば次のポイントにたどりつく。

 ここでは、アメリカ最古の都市公園で市民の憩いの場であるボストンコモンから独立戦争の戦跡にちなんだバンカーヒル記念塔まで、観光名所16カ所がたどれる「フリーダムトレイル」が便利。全長4キロにわたるそのコースでは、道路に赤いレンガの線が入っている。

 サミュエル・アダムズの像が立つファニュエルホールの1階にある観光案内所などで無料のフリーダムトレイルの地図を配布しているので手に入れたい。

定期的にメンテナンスされ美しい姿を見せるUSSコンスティテューション号。

 このフリーダムトレイルの終点近く、チャールズタウン海軍基地の桟橋に姿を現す美しい木造の帆走大型駆逐艦が「USSコンスティテューション号」だ。

 今も航海できるものの中では、世界でいちばん古い軍艦で、進水したのは1797年というから、なんと200年以上も前。解体の危機を乗り越え4年間近くの改装を経て、1997年に200周年を記念し116年ぶりの航海を行った。

 アメリカ海軍の式典やイベントの際は航行もするが、普段は停泊しており、無料で一般公開されている。艦を管理しているアメリカ軍の水兵が、歴史や装備などを解説してくれる(乗船の際に身分証の提示を求められるのでパスポートを持参すること)。

「ユニオンオイスターハウス」のカウンター席に座れば、目の前に山盛りの牡蠣やハマグリが。手際よく殻が剥かれていく。

 ボストンではもう1カ所の“アメリカ最古”となるレストラン「ユニオンオイスターハウス」にもぜひ立ち寄りたい。ケネディ大統領が愛用したという2階のテーブル席もいいが、1階のカウンター席は、目の前でどんどん貝の殻を剥いてくれる様子が見られるのでおすすめだ。

ハマグリが生で食べられるなんて、新鮮でないと無理。

 生牡蠣ももちろんおいしいが、何といっても他ではなかなか食べられない生ハマグリを試してほしい。まず、レモンを搾って、ちょっとカクテルソースを載せる。ぷりっ、ぷるぷるとしたハマグリをほおばれば、磯っぽい塩味と貝の風味が口中に広がる。これぞ、ボストン名物といっていい味。クラムチャウダーも濃厚でおいしい。

とろり濃厚なクラムチャウダー。「こちらもいかが?」とすすめられたコーンブレッド(奥)は、パサッとした大型のケーキという感じ。

2017.10.30(月)
文・撮影=小野アムスデン道子