キリストの遺物が納められた
聖十字架教会

聖十字架修道院側から見た聖十字架教会。

 ランチの後は聖十字架修道院の中にある教会へ。トロードス地方には、ユネスコの世界遺産に登録されている10カ所の教会群がある。どの教会も石を積み上げて造るキプロスの伝統的な建築物で、建物の中には美しいイコン(宗教画)が描かれていたりする。

白い天井にシャンデリアの光が反射して明るい。正面の黄金の壁に聖十字架がある。

 4世紀に建てられたオモドス村の修道院は、キプロスでもっとも古い修道院のひとつ。聖十字架は、いくつかの奇跡により近隣の住民たちが導かれた洞窟の中で発見された。住民たちは神に感謝するとともに、崇拝の場として洞窟の上に教会を建てたという。

 その後、修道院が造られ、その周囲に村が形成された。「ワイン村」で知られるオモドス村は、この教会が発祥だったのだ。

村の人々はろうそくを灯して祈りを捧げる。

 現在の建物は19世紀に全面改築されたものだ。教会内は白く塗られていて、木造の見事なアーチとシャンデリアが美しい。村の人々が祈りを捧げたろうそくがずらりと灯っていた。正面には美しく装飾されたイコンが並び、その右端にあるのが聖十字架だ。

ガラス越しに聖十字架にキスして祈りを捧げる女性。
聖十字架の中央、小さく開いた窓の中に、キリストの手を縛ったというロープが。

 聖十字架にはキリストの遺物が納められている。その中央に小さく開いた窓の中に見えるのが、キリストが十字架に磔(はりつけ)になったときに彼の手を縛ったというロープだ。赤い色はキリストの血によって染められたと言い伝えられている。

オモドス村の広場。取材時はちょうど木々の葉が落ちたシーズンだったので、また緑豊かな季節に再訪したい。

 オモドス村を離れる前に、村の広場に行ってみた。取材時は木々の葉が落ちた季節で、曇っていて肌寒かったこともあり人が少なかった。木々が緑に色づく季節に再訪したいものだ。もっとワインをゆっくり飲む時間も確保して(笑)。

【取材協力】
キプロス政府観光局

http://www.visitcyprus.com/

カタール航空
http://www.qatarairways.com/jp

日本旅行業協会
https://www.jata-net.or.jp/

キプロス・インフォメーションサービス
http://www.cyprus-info.jp/

たかせ藍沙 (たかせ あいしゃ)
トラベル&スパジャーナリスト。渡航150回超・70カ国超、海外スパ取材250軒超、ダイビング歴800本超。日々楽しい旅の提案を発信中。著書は『美食と雑貨と美肌の王国 魅惑のモロッコ』(ダイヤモンド社)、薔薇でキレイになるためのMOOK『LOVE! ROSE』(宝島社)など。楽園写真家・三好和義氏と共著の『死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート』(PHP研究所)は4刷で、台湾・中国にて翻訳出版、第2弾『地球の奇跡、大自然の宝石に逢いに… 青の楽園へ』も中国で出版された。『ファーストクラスで世界一周(仮題)』近日刊行予定。
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