キプロス島は、地中海の東端に浮かぶ小さな島。世界遺産に登録された街パフォス、境界線で分断された首都ニコシア、民芸品で知られるレフカラなど、見どころがいっぱい。このキプロスを、たかせ藍沙さんがレポートします。

 第1回は、2017年の「欧州文化首都」に選ばれた世界遺産の街パフォスを訪れます。

天気のいい日は海辺へ
パフォス城から海を望む

パフォス城は、遠くから見ると海に突き出した場所にあることがよく分かる。

 地中海の東端に浮かぶキプロスは、四国の半分ほどの大きさの島国。地中海では、イタリアのシチリア島、サルデーニャ島に次いで3番目に大きな島でもある。国土の約4割は緑に覆われ、2000メートル級の山脈を有する自然豊かな島だ。ギリシャ神話のアフロディテ(ヴィーナス)が生まれた島としても知られている。

 まずは、世界遺産の街パフォスへ。パフォスは島の南西端にある街で、紀元前2世紀には約500年にわたってキプロスの首都として栄えた(現在の首都はニコシア)。今、世界各地から旅行者が訪れる海辺のリゾート地となっている。

 とくに2017年は、欧州連合(EU)が指定する2017年の「欧州文化首都」に選ばれ、さまざまなイベントが催されているので多くの旅行者が来島していてにぎわっている。オープニングセレモニーの様子はこちらの記事へ。

海沿いにはカフェや土産物店が立ち並んでいて、天気のいい日は気持ちいい。
「猫の島」と呼ばれるキプロス。この猫は行きも帰りも同じ場所で日向ぼっこしていた。

 市中には歴史的に重要な遺跡が多数残されていて、街全体がユネスコの世界遺産に登録されている。まずは、パフォスのランドマークにもなっているパフォス城へ。

 城は、ヨットやクルーザーが停泊しているカト・パフォス港の桟橋の先端にある。海沿いにはカフェが並び、天気のいい日にはオープンエアのテラスで海を眺めながら新鮮なシーフードを楽しむことができる。

パフォス城の中はアーチ型の天井が特徴の広い空間となっている。
この日は写真展が開催されていた。

 パフォス城は、もともとビザンティン時代に街を守るために造られた砦で、13世紀に城として再建された。

 現在の建物は16世紀のオスマン帝国支配後にさらに再建されたもの。牢獄として使われていた時代もあるものの、今では様々な用途に使われていて、訪れた際には写真展が催されていた。

狭い階段を上って屋上へ出ると遥か彼方の水平線まで眺めることができる。
目の前の港やパフォスの街も一望できる。

 屋上まで上るとパフォスの街と海が一望できるほか、隣接するモザイクの遺跡群まで眺めることができる。

反対側から見たパフォス城。岬の先端で砦として街を守っていた。

2017.08.30(水)
文・撮影=たかせ藍沙