神殿のような「王族の墓」の
規模と威厳に驚くばかり
たらふくランチをいただいた後は、カロリー消費のためにもたっぷり歩く必要がある遺跡へと向かった。パフォスの市街地から北に4キロほどの場所にある「王族の墓」だ。
ここには、紀元前3~4世紀頃に造られた100以上の墓があると考えられている。最初に墓が発見されたのは1870年。その後、現在までに発掘されたのは11カ所のみだ。本来の墓の数え方「基」をつけて呼ぶにはあまりに規模が大きい。
「王族の墓」と呼ばれているが、実際には墓の主は分かっていない。当時の貴族や高官とその一族とも言われている。正方形に近い形で地下に掘られていて、そこから外側に棺を収める小部屋があったり、中央に別の建造物があったり、ほとんど朽ちていたり。形、保存状態はさまざまながら、どれも階段で下りられるようになっている。
それぞれの墓には人物名はつけられておらず、番号で呼ばれている。もっとも保存状態がいいのは「墓3」。ドーリア式の柱が残されていて、まるで神殿のようだ。モザイクの装飾がほどこされているものや、隣の墓と地下で繋がっているものもある。
長い歳月の間に盗掘されたり、中世には墓の中に人が住んだりしていたが、現在はしっかり保護管理されていて、エントランスで入場料を支払って見学できるようになっている。当時の権力者たちがもっていた力の大きさを物語っていて、一見の価値がある遺跡群だ。
Tombs of the Kings(王族の墓)
http://www.visitpafos.org.cy/Tombs_of_the_Kings.aspx
2017.08.30(水)
文・撮影=たかせ藍沙