中身がすばらしいのに異様に安い!
実はもう一つ、ここでクローズアップしておきたいブランドがある。
全薬工業のアルージェ、いわゆる“製薬コスメ”は、どれも中身の適格さに対して価格はとことん抑えられており、基本的にリーズナブルなコスメばかりだが、多種多様のセラミドの中でも、人間の肌のセラミドに最も近い、実はヒトセラミドより近い“天然セラミド”をナノ化、目覚ましい精度で本物の細胞間脂質を生みだし優れた肌を構築する技術ではずば抜けている。製薬会社では、最も早くアトピーと取り組んだ企業の1つだけに、健全な肌作りではやはり格上。そういう意味でここも見逃せないのだ。
いずれにせよ「化粧品の価格とはなんだろう」と考えさせられるほど、中身がすばらしいのに異様に安いという、申し訳なくなるほどの価格設定。これは“激安”と言っては失礼、中身に対して感動的なまでの驚異の安さから“驚安コスメ”と名付けてはどうだろう。
齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2016.12.05(月)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫