Vol.10_ORBIS
肌に必要なのは油よりも水。コスメ界の常識を覆すブランド
左から:オルビス初の泡立てない洗顔料。ブライトニングジュレウォッシュ 120g 1,800円、浸透力を追求した高保湿化粧水。モイストアップローション 180ml 2,800円、上:保湿液+日焼け止め。デイメモリーモイスチャー SPF20・PA++ 30g 2,700円、下:夜用濃密ジェル。ナイトメモリーモイスチャー 30g 3,000円/オルビス
今回はずっと取り上げたかったブランドのひとつ「オルビス」の巻。1987年にブランドが設立されて以来、100%オイルカットのスキンケアを提唱するブランドである。特に印象的だったのが「オイル=老いる」という発信。80年代後半は化粧品などに使用する油剤原料等の肌への影響が取り上げられ、「油は悪」と言われていた時代。「オイル=老いる」という言葉はすごくショッキングだったし、多くの女性たちが関心を寄せたものだ。
「当時のアンチオイル派の方に安心して使っていただけるスキンケア製品を提供しようと研究をスタートしました。その中で着目したのが肌に備わっている酵素の力。オルビスでは“インナー酵素”と呼んでいるのですが、肌内部では常に酵素が活動していてバリア機能を維持し、肌のなめらかさや透明感、ハリを保つなど重要な役目を担っています。これらの酵素は油分ではなく、水分で潤っている環境でこそ活発に働くことがわかったのです。肌にとって本当に必要なのは油分よりも水分。オルビスがオイルカットのスキンケアにこだわる理由がここにあります」と話すのはオルビス 商品企画部の大内明香さん。
油分を含まないスキンケアというと安心・安全なイメージがあるけれどそれだけじゃなかった。肌の酵素をしっかり働かせる攻めのケア。毎日続けることを考えたら美肌への近道となるはず。
「肌の力を底上げしてエイジングしにくい肌へと導く。オルビスのオイルカット理論は漢方に近い考え方だと思います。25年以上にわたって研究を続けてきていろんなことがわかってきました。美肌と深く関わる6つの酵素を特定し、その働きが高まることで見た目年齢が大きく若返ることも科学的な検証から確認しています。オイルの精製が進化して受け止め方も変わってきましたが“オイルカット”はオルビスのスキンケアの根幹。すべてのスキンケア製品が無油分。香料もほとんどが油性なので一切使用していません」(大内さん)
今のスキンケア傾向から見るとちょっと向かい風な印象もあるけれど、そんな中でもブレない姿勢は確たる自信があるからで2014年2月に発売された「オルビスユー」の存在は見逃せない。
2014.12.31(水)
文=吉田昌佐美
撮影=塚田直寛