ヘミングウェイがこよなく愛した海と空の村

ヘミングウェイが愛したコヒマル海岸。

 昼に出かけるなら、少し遠出して、ハバナから車で1時間半ほど行った、コヒマル海岸のレストランはどうだろう。

 汚れを知らぬ空を、雲がゆっくりと渡っていく。海は太陽と戯れながら、あくびをしている。ヘミングウェイがこよなく愛した海と空の村は、おそらく半世紀以上変わっていない。

ヘミングウェイが来ていた当時と同じ「La Terraza」の外観。

 ヘミングウェイがよく来ていたという「La Terraza」での昼食はなんとも心地よい。当時のままの建物で、開け放たれた窓から海が望め、潮の香りが流れてくる。ソンの演奏を聴きながら、海老のカクテルやパエリャなどを味わう。

 一階は観光客が多いので、そのまま海岸側を降りたところにある部屋や、海に面したテラス席がおすすめである。

「La Terraza」の内観。

 パエリャといっても日本のスペイン料理屋と比べれば、かなり味が濃く、ご飯が柔らかいが、そんな事は関係ない。

「La Terraza」の名物、パエリャ。

 昔の時間を留めた海と空とソンとダイキリやモヒート。もうそれだけで幸せである。

La Terraza
所在地 Calle Real No161e/Rio y Montana
電話番号 07-838-923

<キューバ>

2016年7月にアメリカとの国交が回復し、今後、急速にアメリカ化されると期待する観光関係者が多いため、マクドナルドやコカコーラのないキューバを知りたいなら、早く行ったほうがいい。

現在、直行便はなく、トロントやメキシコを経由していくことになる。公用語はスペイン語だが、英語もなんとか通じる。現地での移動はタクシーが無難。レンタカーもあるが、予約をしておかないで現地での調達は困難といわれる。

治安は想像よりはいいという人が多い。

マッキー牧元(まっきー・まきもと)
1955年東京出身。立教大学卒。(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、全国を飲み食べ歩く。「味の手帖」 「銀座百点」「料理王国」「東京カレンダー」「食楽」他で連載のほか、料理開発なども行う。著書に『東京 食のお作法』(文藝春秋)、『間違いだらけの鍋奉行』(講談社)、『ポテサラ酒場』(監修/辰巳出版)ほか。

Column

マッキー牧元の「いい旅には必ずうまいものあり」

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、全国を飲み食べ歩く「タベアルキスト」のマッキー牧元さんが、旅の中で出会った美味をご紹介。ガイドブックには載っていない口コミ情報が満載です。

2016.11.24(木)
文・撮影=マッキー牧元