1993年に個人経営のレストランが初認可されたキューバ
キューバ料理?
こう聞いてすぐイメージできる人はそういないだろう。社会主義国家と言う印象からも、おいしい料理を想像しない人も多いだろう。
「キューバはまずい」
大抵の旅行者は、そう言って帰ってくる。しかし数多くはないが、おいしい店はある。
まずキューバのレストラン事情を把握しておこう。
キューバのレストランには、国営と民営(パラダールと呼ばれる)レストランがある。
近年、経済の活性化を狙って市場原理の導入が進められ、1993年に個人経営のレストランが初認可。2014年には、国営レストランの民営化を進める発表がなされた。
キューバでは、医師や大学教授などは、地位は高いが給料は低い。観光産業に関わっている人の方が高給で、実際には、タクシーの運転手の方が医師や教授より10倍近く稼いでいる場合が多いのが現状である。
当然、レストランを経営すれば儲かる。2014年以降、いいレストランを作って、客を呼ぼうとする動きが過熱化しているという。
だが一方で、食材は限られている。海外への渡航も自由ではないため、情報も少ない。そんな中でも、海外に負けないレストランが出来つつあるのである。
国営と民営を比べれば、当然ながら民営の方がレベルが高い。しかし国営も民営化に向けて努力しているし、民営だからといっても優れたレストランはごくわずかといった状態である。
今回から数回にわたって、キューバのおいしい事情を紹介したい。
2016.10.20(木)
文・撮影=マッキー牧元