旅館ならではの安らぎと最先端の快適性を兼ね備える客室

客室「桜」。客室「百合」も同様の構成、広さ(約50平方メートル)となる。ツイン仕様も用意。

 星のや東京は新しい日本の寛ぎを提案する日本旅館だ。日本古来の伝統や文化を備えつつ、現代のライフスタイルに合わせた快適性やプライベート感をも併せ持つ。その魅力を最も実感できるのが客室だろう。

客室「桜」。浴室を覆うクリア・ガラスは、スイッチひとつでスモーク・ガラスに。

 3階から16階にかけての客室階では、6客室を配置する1つの階が、それぞれ1つの完結した旅館として構成されている。重箱のように、プライベート性の高い小さな旅館が積み重なった形。「塔の日本旅館」と名付けられた理由がここにある。

 客室は「桜」「百合」「菊」の3タイプ。部屋ごとに色合いなどは異なるものの、どちらも畳の間に、伝統工芸が光る天然素材の家具を低く配し、和の室礼に凝る。

 室内では上質のアメニティをそろえ、調光や空調も行き届く。しのばせた最新設備により高められた居ごこちの良さも、この部屋を特別なものにしている。

左:家具職人集団・ヒノキ工芸の「畳ソファ」。脚を伸ばして、ゆるりと。
右:竹素材のクローゼットには、日本橋・江戸屋の逸品である洋服ブラシをオリジナルのロゴ入りで用意。
客室扉のオートロック機能は解除も可能。気兼ねなく旅館らしい滞在を、との配慮から。
客室階の畳廊下。同階の宿泊者専用のため、フロア全体がセミプライベートな空間となる。

2016.07.20(水)
文=上保雅美
撮影=佐藤亘