vol.23_SOFINA
女性たちの美肌意識とケアスタイルを変えたソフィーナ
誰にでも信頼しているコスメブランドがあると思うけれど、「ソフィーナ」の名を挙げる人って多い。初めて使ったスキンケアがソフィーナだったとか、いろいろ試してソフィーナに行き着いたという声も聞く。実は私の長い美容生活の中にも思い入れの深いソフィーナの製品がある。美肌づくりの知識を学んだ意味でも注目しているブランド。まずはその歴史を振り返りながらソフィーナの「今」に迫りたいと思う。
「1982年、ソフィーナは花王の最初のスキンケアシリーズとして誕生しました。皮膚科学研究に基づいた先進のアプローチを反映し、化粧水と乳液だけのシンプルケアを提案。店頭では、肌の水分量や皮脂量をチェックする肌解析機を用いてカウンセリングを実施。『自分の肌について知りたい』、『自分の肌に合う化粧品が欲しい』という女性たちにとって画期的な出来事だったようです」と話すのは花王 化粧品事業部 ソフィーナ担当の大友和美さん。
花王は明治時代に創業した石けんや洗剤で有名な老舗メーカー。化粧品業界に参入のニュースは驚きを持って伝えられたものだ。デビュー当初から見てきて感じるのは真摯な物作り。肌のことや女性を取り巻く環境を見つめ、研究・検証を重ねて新しいアプローチや機能性を製品に注ぎ込む。それまでのスキンケアの流れを変えるような製品を数多く生み出している。たとえば、85年に発売された洗い流すタイプの「メイククリアジェル」。
「当時のメイク落としはティッシュで拭き取るのが一般的でしたが、水でサッと洗い流せる技術によってクレンジング習慣を一変しました。また、紫外線が及ぼす肌ダメージにも早くから着目していて、88年に紫外線カット効果を備えた日中用乳液を発売しました」(大友さん)
小麦色の肌が全盛だった80年代。ガンガンに日焼けしていた私もこの朝乳液の登場で肌の危機感を自覚。今ではUVケアは当たり前だけど、始まりはソフィーナだったと言っていい。そして、保湿においては「セラミド」研究のパイオニア。
「85年に肌の保湿の重要な役割を担うセラミドの働きを発見。99年からセラミドの産生をサポートする成分“ユーカリエキス”を配合。よりうるおいを重視したスキンケアへと進化しました。また、美白の分野ではメラノサイトの働きを活性化する情報伝達物質に着目。2000年に独自の美白有効成分“カモミラET”を配合した美白化粧品が発売に」(大友さん)
保湿や美白、エイジングの悩みに対してターゲットを明確にしたソフィーナの存在は大きいと思う。花王の技術力あってのことだけれど“独自性”という点で見逃せないのが炭酸技術の研究だ。入浴剤「バブ」はあまりにも有名。
「炭酸力によって温浴効果を高めて血流を促進。疲労や肩凝り、冷え性などに効果を発揮します。花王は長年にわたって炭酸の研究を続け、その技術を活用してきました。育毛ケア『サクセス』、化粧品では『エスト』から発売されたアクティベートサーキュレーターも」(大友さん)
炭酸コスメブームの火付け役となった一品である。そして遂に、新シリーズが!
2016.05.06(金)
文=吉田昌佐美
撮影=吉田健一