数カ月後には肩コリもなくなり、どんどん元気に

骨盤トレーニングは毎朝1時間。必要なのはヨガマットと体操マクラだけ。

 こうして少しずつ元気になっていきましたが、やはり体力にも自信がないし、少し無理をするとすぐに具合が悪くなる感じはあります。

 そんな私が劇的に健康になったのは、私の体の弱さをみかねた友人から、彼女がトレーナーをしている「リュクスボディレッスン」(骨盤トレーニング)をすすめられたことがきっかけです。3年半前のことでした。

 もともと運動が苦手な私。でも彼女が私を心配してくれているのがとてもありがたかったし、簡単そうな体操なので「じゃあちょっとやってみるかなあ」という程度の軽い気持ちで始めました。

 1カ月後には身体中に蕁麻疹が出たり、その後も頭痛や耳鳴りがしたりしましたが、それを乗り越えたら、数カ月後には肩コリもなくなり、どんどん元気になっていきました。

 そして体の基礎が出来上がり、骨と筋肉の状態が整った、この3月で卒業できました。もちろんこれからも自分で体操は続けていきますが、脊柱側湾症でゆがんでいた背骨もほぼまっすぐになり、体の歪みがなくなって筋肉がつくとこんなに元気になるんだなあと日々実感しています。

 いまの私は別人のようです。

(1) 蕁麻疹が出なくなりステロイドもやめられた

(2) 疲れにくくなり毎日でも外出できる

(3) タクシーもほとんど使わず電車・バス・徒歩でどこにでも出かけられる

(4) 肩こりがなくなった

(5) 脊柱側彎症でゆがんでいたあばら骨と背骨がほぼきれいに整った

(6) 首回りがすっきりしてウエストがくびれた

(7) 筋肉がついたので食事の後もお腹がポコンと出なくなった

 とにかく元気になりたい! と始めた体操なので(1)~(4)までで大満足だったのですが、美容面の効果もあったのは嬉しいことでした。

 そして健康になったからこそ、いまのような三拠点生活が送れるんだなあとつくづく思います。1カ月に3カ所を移動。以前の私なら車や電車での移動だけでぐったりして、数日は体調を崩していたことでしょう。

 軽井沢へは夫が運転する車での移動なので、そう大変ではありませんが、福井・越前町のアトリエへの往復は私一人のことが多く、時間も体力も使います。パソコンなど入れたリュックを背負い、体重7キロの犬(ケアンテリア13歳)を犬用カートに入れて北陸新幹線で東京から金沢へ。そこからさらにJRで福井駅まで行きます。駅からは迎えに来たスタッフの車でアトリエまで。トータルで4時間ちょっとかかります。でも、アトリエに到着後すぐに工房で制作作業がスタートできるほど元気です。

雑誌表紙/松尾たいこ・イラスト(マガジンハウス)から。

 それまでの虚弱体質の自分からするとまるで別人。こんな「あたりまえ」な日々が私にとっては夢のようです。

 そしてこれからはもっともっと元気になりたいなと思っているので、座禅とか気功とか体の内側から強く元気になれそうなことも、どんどん試してみたいです。

リュクスボディレッスン
URL http://luxebody-lesson.com/

松尾たいこ(まつお・たいこ)
アーティスト/イラストレーター。広島県呉市生まれ。1995年、11年間勤めた地元の自動車会社を辞め32歳で上京。セツ・モードセミナーに入学、1998年からイラストレーターに転身。これまで300冊近い本の表紙イラストを担当。著作に、江國香織との共著『ふりむく』、角田光代との共著『Presents』『なくしたものたちの国』など。2013年には初エッセイ『東京おとな日和』を出し、ファッションやインテリア、そのライフスタイル全般にファンが広がる。2014年からは福井にて「千年陶画」プロジェクトスタート。現在、東京・軽井沢・福井の三拠点生活中。夫はジャーナリストの佐々木俊尚。公式サイト http://taikomatsuo.jimdo.com/

Column

松尾たいこの三拠点ミニマルライフ

一カ月に三都市を移動、旅するように暮らすイラストレーターの松尾たいこさんがマルチハビテーション(多拠点生活)の楽しみをつづります。

2016.04.30(土)
文・撮影=松尾たいこ