沖縄の豚食文化の神髄を味わう
「衣」の新たな取り組みを見た後は、沖縄伝統の「食」を味わうことに。
本島北部の名護市にある「島豚七輪焼 満味」は、沖縄の豊かな豚食文化を発信する満名匠吾さんの店。「足跡以外残らない」と言う豚の奥深い旨さを再発見できる場所だ。
満名さんが沖縄の豚文化について語る。
「沖縄の豚を〝あぐー“とよく呼びますが、実は調べてみると交雑されていて、系統だった在来豚と呼べるものはありませんでした。それは戦前の暮らしが影響していて、昔はどの家でも家屋の北側にある〝フール“という人間のトイレに隣接した豚小屋で飼っていました。あそこの家の豚がおいしいと評判になると、近所から種付けに雌豚が集まり、そうやって地域ごとに種が選抜されていったんです。
沖縄の豚の特徴として、脂(ラード)が美味しい。沖縄は耕地が少なくて植物油が取れないので、油分をラードに頼っていたのです。みなさんには沖縄の島人の健康も支えていた豚食文化を味わってもらえたらと思います」
前菜からデザートまで、豚のさまざまな部位を使った御膳をいただいた。
前菜で目を惹いたのはロース肉に黒ゴマだれをまぶして蒸しあげた「みぬだる」。は小品だが黒ゴマの香ばしさが口の中に強い印象を残す。内臓が入った吸物は想像よりも上品な味わい。「どぅるわかし」は沖縄でよく採れる田芋を煮込んだものに、豚肉を練り込んだもの。ねっとりした田芋の舌触りと濃厚な豚肉の旨味が抜群の組み合わせだ。デザートのちんすこうは小麦粉、砂糖に自家製ラードの本来の材料だけで作られた素朴な味わい。まさに足跡以外を全て味わう体験ができた。
島豚七輪焼 満味
所在:沖縄県名護市伊差川251
営業日:月・日曜日(年末年始は営業)
営業時間:17:00~21:30
https://www.instagram.com/shimabuta_manmi/
沖縄の海を“歩いて”わかること
午後は名護市東部のナチュラルビーチで、「プロジェクトマナティ」が主宰するビーチクリーニングを体験した。ここではプロジェクトに参加している地元のパートナー店舗に500円を渡して専用バッグを借り、ゴミを拾ったあとに再びバッグをお店に戻すと、お店がゴミを処理してくれる。
プロジェクトマナティを運営する金城由希乃さんが説明する。
「以前は観光客の人が善意でゴミ拾いをして地元の人に預けようとして、預けられた側が処理に困ってしまうということがよくありました。実はビーチのごみは家庭ごみとしては出せないんです。双方にとってビーチクリーンに参加しやすいかたちはないだろうかと、いまのやり方を考えました。現在、パートナー店舗は約80あります。大きなゴミよりも動物の誤食など、生態系により影響がある小さなゴミを拾ってくださいね」
人工的に整備した砂浜が多い沖縄では数少ないナチュラルビーチの嘉陽ビーチを歩く。一見きれいなビーチだが、30分ほどでペットボトル、ビニールひも、ガラス瓶などで30リットルほどのバッグは一杯になってしまった。中国やベトナムからの漂着物も多いという。
ビーチクリーニングのあとでパートナー店舗の「Tulipan Café/Bakery」で自家製パンとコーヒーを頂いた。笑顔が眩しい店主のナティさんはポーランドから沖縄に魅せられて移住した女性だ。そんなナティさんも子供とビーチを歩くと、ゴミに気分が悪くなるときがあるという。ゴミを持ち込むのではなく、拾って帰る。美しい海を眺めながら、環境に貢献できる観光になったかと思うと、胸を張って沖縄のリピータ―になれそうな爽快な気分になった。
Tulipan Café/Bakery
所在:沖縄県名護市安部62
営業日:木曜日、金曜日、土曜日のみの営業
営業時間:????
https://www.instagram.com/tulipan.okinawa/
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