山梨・西山温泉、ギネス最古の宿と「どんぐり蕎麦」
――この晩は飛鳥時代(705年)に開業した西山温泉「慶雲閣」に宿泊。山間の渓谷の狭間にぽつんと建つこの宿は、2011年に「世界で最も古い歴史を持つ宿」としてギネスに認定され、こぞって外国人がやってくる。スタッフにも流暢に日本語を話すベトナム人女性がいた。笑顔が可愛らしく、着物がよくお似合いだ。
内風呂は古代檜を使用した大きな湯船――。
――ひと足入れただけで、「ざばざば~~~っ」と、お湯が溢れる音が浴場にこだまし、湧出量が豊富だとわかる。毎分1600リットルという湯量は、ドラム缶8本に相当する。新鮮な源泉はあせも疲れも凝りも流し出し、心もほぐれる。とろりんとお湯が肌を転がる。水素イオン濃度(pH)9.1ゆえ、まろやかな肌触り。(後略)
「慶雲閣」のような秘湯の宿の場合、山の幸を中心とした素朴な食事を連想しますが、しっかりとした会席料理だそう。その中でも「どんぐり蕎麦」は心に残った料理のひとつ。奈良から取り寄せたどんぐりで作られていて、深い茶色の麺で、つるんと口に入れて噛みしめると、「香ばしさでパット花が咲いた」と山崎さん。
