ソウルで好きな場所は?

――映画では街や自然の景色が物語を彩っています。ご自身にとって、映画の舞台と重ね合わせたくなるような場所はありますか?

ホン・ギョン 今回は、延南洞(ヨンナムドン)付近で多く撮影しました。アートスペースが密集していて、街全体が明るいエネルギーに満ちていて、本作のテーマの一つである「青春のきらめき」にもよく似合うロケーションだと思いました。

 個人的に好きなのは、延南洞から少し奥に入った延禧洞(ヨンヒドン)と、漢南洞(ハンナムドン)です。漢南洞は東京で言うと表参道のようにおしゃれで活気ある雰囲気で、そこで過ごすと、ヨンジュンのように新しい自分を見つけられる気がします。

ノ・ユンソ 私も漢南洞は好きです。

 それと、生まれ故郷の蚕室(チャムシル)がやはり好きです。子どもから大人まで訪れる街で、映画のなかでヨルムが家族を支える姿は蚕室の雰囲気とも重なりました。蚕室には家族や地域の人に囲まれて過ごす温かな雰囲気があり、この映画で描かれる「人と人がつながる力」を実感させてくれる場所だと思います。

 近くには観光地の「石村湖水 (ソクチョンホス)」があり、大通りには散歩に適した道が多く、漢江(ハンガン)もあります。韓国ドラマなどで、漢江のほとりでラーメンを食べるシーンがよく出てくることから、漢江を眺めながら食べる「漢江ラーメン」が流行りました。私はラーメンは食べませんが(笑)、行けば癒される、ホームグラウンドです。

キム・ミンジュ 私は南山(ナムサン)タワーが好きです。観光地的ではありますが、夜景を眺めていると未来に希望を抱けます。映画のなかでガウルが夢に向かって泳ぐ姿と同じように、私にとって南山は、挑戦や希望を思い出させてくれる場所です。

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