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ホン・ギョン、ノ・ユンソ、キム・ミンジュ インタビュー【前篇...
ホン・ギョン、ノ・ユンソ、キム・ミンジュ インタビュー【後篇...
誰もが経験したことのある恋のときめきと、人生の迷いさえもキラキラと輝くような⻘春のひとときを描いた韓国映画『君の声を聴かせて』が、9月26日(金)日本でも公開となります。
台湾の名作『聴説』が14年の時を経てリメイクされた作品で、韓国では観客動員数初登場1位を獲得しました。
大学を卒業したものの、自分のやりたいことが見つからずに悩む就活生ヨンジュン。聴覚障がい者でありながら水泳のオリンピック代表を目指すガウルと、彼女を支える姉のヨルムに出会い、手話を通じて2人と心を通わせていきます。
本作に登場するホン・ギョン、ノ・ユンソ、キム・ミンジュ(元IZ*ONE)の3人にインタビュー! 今最も注目を集める若手俳優3人が語り合いました。
オファーをいただいて、すぐに参加を決めました

――オファーを受けてどんなお気持ちでしたか?
ホン・ギョン 僕はずっと、20代で初恋を描く映画に出演してみたかったので、本作のオファーをいただいて、すぐに参加を決めました。
「一目惚れをして恋に落ちる」というのはありがちな設定ですが、実際にはなかなかありません。僕が演じたヨンジュンが、ヨルムに出会って恋に落ち、ヨルムへの想いを深めながら自分自身も成長していく。その姿をどう伝えられるかを集中して考えながら演じました。

キム・ミンジュ 私も好きなジャンルの作品だと思いました。
私が演じたガウルは、聴覚障がい者ながら水泳のオリンピック代表を目指すという夢をもち、情熱的にその夢を追いかけ続けます。夢に向かってまっすぐに突き進むガウルへの応援も込めて、うまくお芝居で表現したいと思いました。

ノ・ユンソ 脚本を読んだ時、清らかで美しい世界観の作品だと思いました。穏やかでありながら心に響くものがあって、読んでいくうちに頭の中に自分が演じるヨルムのイメージが浮かんできました。
ホン・ギョン 自分が何をしたいのかがわからなかったヨンジュンは、ヨルムに出会ったことで人生が動き出します。そして、ヨルムもヨンジュンに出会ったことで自分の人生について考えるようになり、そのことが妹のガウルにもいい影響を与えます。この素敵な流れをお芝居で観客のみなさんにどう感じてもらうか。難しい挑戦で、プレッシャーはありましたが、3人で力を合わせて頑張りました。
――本作は、手話でのコミュニケーションがメインとなっています。繊細な気持ちを手話で表現するのは大変だったのではないでしょうか。

ホン・ギョン そうですね。でも、ありがたいことにクランクインの数カ月前から練習の時間をいただけました。基礎から教えていただき、相手の目を見て一瞬の気も抜かない集中力が必要だと学びました。
ノ・ユンソ 私は鏡を使いながら、表情を大きく出す練習を重ねました。手話は表情も含めて感情を伝えるものなので、演技の幅を広げる新しい挑戦になったと思います。
キム・ミンジュ 私も手話を通じて、自分の気持ちを表現するための新しい手段を知ることができました。本当に貴重な経験になりました。
――それぞれが演じた役の魅力を教えてください。
キム・ミンジュ 私が演じたガウルは、自分が好きなこと、やりたいことがはっきりしています。歳もまだ若く、聴覚障がいというハンデをもっていながら、臆することなく夢に向かって情熱を注ぎ続ける生き方が素敵だなと思いました。
私自身も、自分がずっと持ち続けてきた「アイドルになりたい」という夢を10代の頃に叶えています。ガウルに似ているところがあると感じ、すごく共感できました。
ホン・ギョン ヨンジュンの魅力をひとつあげるとしたら、とても純粋で清らかな心の持ち主ということです。なんでもスピーディーに進んでしまう今の時代に、流されることなく、自分の信念を貫き通せる強さももっている。度胸のある人だと思いました。

ノ・ユンソ 言葉で説明するのは難しいのですが、ヨルムはすごく相手を気遣う、優しい人だと思います。作品の中では、妹・ガウルを思うばかりに、ヨルム自身のやりたいことができていないとみえるかもしれません。でも私は「ガウルのために尽くす」ことこそ、ヨルム自身のやりたいことだったと思っているので、ヨルムはちゃんと自分のやりたいことができていたのではないかと思いました。
2025.09.25(木)
文=相澤洋美
撮影=平松市聖