トアロードの意外な由来

 和美さんが「トアロード」に関する面白い話を教えてくれた。「なぜ『トアロード』と呼ばれるようになったのか」は、明治時代にあった外国人向けホテル「トアホテル」や外国の言葉などに由来するらしいと、この連載記事の最初に紹介したけれど、もうひとつ全然別の「説」があると和美さんは言う。

「トアロードはローマ字で“TOR ROAD”と書くんだけど、それに“II”をつけると“TORII”、鳥居になるんです。トアロードを海側に下りていくと三宮神社があるんですが、昔はトアロードに鳥居がかかってた。そして山側にあった『トアホテル』にも実は昔は鳥居があった。だから、鳥居に挟まれた通りだから“TORII ROAD”でそれが変化して『TOR ROAD』になった。生田神社の宮司さんは絶対そうやと言ってました。だから、北野の山が御神体で、トアロードが参道みたいだなって、歩くたびに思うんです」

「マキシン」

神戸市中央区北長狭通2-6-13
https://maxim-hat.jp

「木馬 MOKUBA’S TAVERN」

神戸市中央区北長狭通3-12-14
https://mokuba-kobe.com

松本隆(まつもと・たかし)

1970年にロックバンド「はっぴいえんど」のドラマー兼作詞家としてデビュー。解散後は専業作詞家に。手がけた作品は2,100曲以上にもおよぶ。

Column

松本隆と歩くぼくの風街

「ねえ、ぼくの"風街"めぐりをしてみない?」――松本隆さんがあるとき言った。作詞家・松本隆さんの「風街」とは、松本さんの頭の中に存在する街だ。しかし、その「風街」は松本さんの人生と創作活動に深く結びついている。「松本隆と歩くぼくの風街」では、松本さんとともに「風街」を巡る旅に出かけ、その足跡をたどっていく。