この記事の連載

「必ず食べるのが海鮮やきそば」

「センセイはいらっしゃると必ず食べるのが海鮮やきそば」

「そう、大好物。じゃあ、今日もそれをお願いします。もちろん、お粥も」

「魚生粥ですね。わかりました」

 エビやイカ、貝柱といった海鮮類に小松菜、しょうが、キクラゲなどの野菜の餡がたっぷりかかった海鮮やきそばは、あっさりとしていて上品な味。老鶏からとったスープで3時間じっくり炊きあげるという中華粥は実に滋味深く、とろとろのポタージュスープのよう。

 「ホッとするやさしい味がするんだ」と松本さん。「ぼくが神戸に住む理由、わかったでしょ(笑)」

杏杏(しんしん)

神戸市中央区下山手通4-13-14
http://www.xingxing.jp/index.html

松本隆(まつもと・たかし)

1970年にロックバンド「はっぴいえんど」のドラマー兼作詞家としてデビュー。解散後は専業作詞家に。手がけた作品は2,100曲以上にもおよぶ。

Column

松本隆と歩くぼくの風街

「ねえ、ぼくの"風街"めぐりをしてみない?」――松本隆さんがあるとき言った。作詞家・松本隆さんの「風街」とは、松本さんの頭の中に存在する街だ。しかし、その「風街」は松本さんの人生と創作活動に深く結びついている。「松本隆と歩くぼくの風街」では、松本さんとともに「風街」を巡る旅に出かけ、その足跡をたどっていく。

2025.02.19(水)
文=辛島いづみ
撮影=平松市聖