一口に「働く母」と言っても、その生活スタイルは十人十色。みんなが自分なりの方法で、忙しい日々をやりくりしている。彼女たちの24時間には、たくさんの知恵と工夫が詰まっていた――。
今回は母親が働きやすいシンガポールの環境を紹介。
P&G アジア ヘアケアPRマネージャー
下村祐貴子さん(33)
信之祐くん(4)
29歳で出産。2010年、信之祐くんが9カ月のとき、社内結婚のご主人とともにシンガポールに転勤。入社以来、日本でヘアケア商品の国内向けPRを担当していたが、現在は日本を含むアジア全域のPR戦略を立てる。信之祐くんは「プレスクール」に1歳半から通う。
住み込みメイドがいるから仕事に完全集中できる
同じ会社に勤める夫、生後9カ月の信之祐くんとともにシンガポールに赴任して3年。
「正直言って、家事はかなりメイドに任せています」という下村さん。シンガポールの家庭には住み込みの外国人メイドがいるのが普通で、日本人駐在員の家庭でも同様。
「子育て経験のある人を選び、ベビーシッターも兼ねています。住み込み体制に最初は少しためらいもありましたが、すぐ慣れました。シンガポールは、仕事を持つ女性のためのサポートが充実していますね」
仕事に集中できるからこそ、毎日夜には、信之祐くんと100%向き合う母子の時間を大切にしている。
11月には第2子が誕生。帰国せず、シンガポールで出産の予定だ。
「シンガポールは治安が良いですが、やはり海外では、子どもが病気をしたりすると、日本以上に苦労も多いです。でも子どもが一緒だからこそ、そんな苦労に報いて余りあるハッピーをもらっています」
【Language】 日本語の習得を促すため
信之祐くんは英語に触れる時間のほうが長いため、下村さん夫妻は家では日本語を徹底。プレスクールの第1言語は英語だが、第2言語は選択できる。日本人の先生や同級生もいるので、「日本語もかなり上達してきて、最近は安心しています」
メイドがベビーシッター兼務
下村さん宅ではフィリピン人の住み込みメイドさんがベビーシッターも兼ねている。これまで延べ10人ほど面接し、「子どもがなつくかを第一に見ました」。現在のメイドさんはまもなく2年。信之祐くんととても仲良し。2人は英語で会話している。
2013.10.28(月)
原隆夫=写真