なるほどその手があったのか。これまでにない解決策!
右:繊細な仕上がりを実現。タン・クチュール・コンシーラー 全3色 3,900円/パルファム ジバンシイ
あなたにとって今まででいちばん“期待外れ”だったアイテムとは何だろう。ひょっとするとそれ、コンシーラーなのではないだろうか? いや、コンシーラーそのものを否定する気はまったくないが、期待値があまりに大きいからこそ、結果とのギャップがどうしても大きくなってしまう。それはこのアイテムの宿命。ひたすら“欠点をカバー”し、“トラブルを見た目に消し去る”という、究極の“解決コスメ”だけに、ちゃんとカバーできなかったり、消え去らなかった時の落胆は半端じゃないから。
正直、“シワ取りの美容液”は、1本を使い切ってほとんど変化がなかったとしても、まあこんなものだろうとさっさと諦める心のゆとりが持てるものだが、コンシーラーのようなカバーものが欠点を消せないと単純に腹が立つ。コンシーラーを欠かさずに使うのが、むしろ若い人で、本当に隠すべき欠点がたくさんある大人のコンシーラー使用率は意外なほど低いのもそのため。シミや色ムラ、目の下のクマやくすみなどの欠点も、歳を重ねるほど、コンシーラーでは消せなくなってくる。それどころかその部分だけ返って目立ったりしてしまう。だから使わなくなる、という流れ。しかもコンシーラーの欠点カバー力は、ファンデ膜の厚みだけに頼ろうとしてきたから、進化は長い間見られないままだった。ところが近ごろにわかに様子が変わってきたのである。
たとえばジバンシイの提案は、バイカラーコンシーラー。これ、ピンクと肌色が3:7で配色されたバイカラー。ピンクの方はクマやくすみなどを自然に明るく目くらましするハイライトカラーで、肌色一色よりもはるかに自然に美しく仕上がるアイディア。
スックからは、単なる肌色濃淡ではない、シミ用、クマ用、 くすみ用、ハイライト用に分類された8色の“用途別カラー”から欠点に合わせて3色をセレクト、自分だけのカバー力がつくれる“デザイニングコンシーラー”がデビューした。本気で隠そうという意欲が半端じゃない。
2015.09.05(土)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫