女性たちに驚きと感動を与えたローズの新たな表現
何より興味深いのはクラシックなローズの香りを現代的な愛される香りに生まれ変わらせたこと。ローズの香りって欧米ではおばあちゃんの香りと言われることがあるそうだが、そんな古っぽさはまったくない。すごくパウダリーなのに軽やかで清潔感があって時間とともに柔らかで深みのある官能的な香りへと変化。その余韻にいつまでも包まれる幸せ。つけているだけでほっとする不思議なローズの香りなのである。
「調香師のアルメラック氏は『クロエフレグランスの象徴はローズ。モダンでパワフル、フェミニンなローズの際立った個性を新たな視点から表現したい』と語っていて、クリエイションのたびに新しい試みをしています。オードパルファムが革新的と言われるのは、ローズのエッセンシャルオイルを使うことなくローズの香りを表現していること。ブレンドしたローズペタルの香りをキーノートにパウダリー ハニー ローズという香調を作り出しました」(鈴木さん)
ローズオイルを使っていないのに直感的に感じるローズのインパクト。すごく新鮮で忘れられなくなるのは“計算された複雑さ”に秘密があるのかも。香りの世界ってホント深いわ。2012年にはロー ド クロエが誕生。シトラスとパチョリが溶け合う爽やかなハーモニーがローズの新たな魅力を引き出した。
「ローズウォーターを20%以上配合した清々しいシプレーローズは夏にぴったり。男性のファンも多いんですよ。2013年にはローズ ド クロエが仲間入り。こちらは摘みたてのローズでブーケを作ったようなフレッシュで優雅な香り。シグネチャーラインの中で最もローズらしい香りで若い世代に人気です」(鈴木さん)
そして、2015年7月に発売された最新作がクロエ オードトワレだ。
「朝露に濡れたホワイトローズを中心にマグノリアやコットンフラワー、ガーデニアなどの白い花々で作ったブーケの香り。これまでのクロエの香りとは全く異なる香りでありながら、オリジナルのクロエを感じられる香りだと思います」(鈴木さん)
これはヒットすると思う! 香りって言葉では伝えきれないから実際につけて試してみるのが一番。今後も素敵な香りが?
「クロエの香りといえば“ローズ”の香り。これからもさまざまな魅力をお届けできればと思います」(鈴木さん)
すごく楽しみ! ローズの人気はまだまだ続きそうですね(嬉)。
2015.09.06(日)
文=吉田昌佐美
撮影=塚田直寛