アートを通して「視覚の冒険」に出かけたい

「海と山のあいだ 14,DK-294」2014年 (C) Risaku Suzuki / Courtesy of Gallery Koyanagi

 写真家・鈴木理策が被写体にするのは主に日本の風景。桜、雪山、滝、深い森……。伝統的な美が宿る場所ばかりで画面は端的に美しい。

 ただし、会場で写真を観れば、どうやら花鳥風月の情緒を写し取りたいわけじゃないと知れる。それよりも、肉眼で捉えた光景が写真になるとどんなズレが生じるか、画面の中を視線はどうさ迷うのかを探究しているかのよう。

 画面の美に溺れつつ、作者の企みも探ってみたい。

『鈴木理策写真展 意識の流れ』
会場 東京オペラシティ アートギャラリー(東京・西新宿)
会期 2015年7月18日(土)~9月23日(水)
料金 一般1,400円(税込)ほか
電話番号 03-5777-8600(ハローダイヤル)
URL http://www.operacity.jp/ag

2015.08.29(土)
文=山内宏泰

CREA 2015年9月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

本とおでかけ。

CREA 2015年9月号

街へ公園へ、空想の世界へ
本とおでかけ。

定価780円