砂漠といえば、やっぱりラクダ!
夕方はキャメル・トレックに参加した。ここまで馬、ゾウに乗ってきたけれど、「やっぱり砂漠はラクダよね!」と申し込んだのだった。出発は、日が傾いて涼しくなる時間帯。日中は日差しを遮るものが何もなく、砂漠の気温が急上昇するので暑すぎるのだ。
ファルコンショーと同様に、ラクダがいる場所までは四輪駆動車で。すると、お行儀よく座ったラクダが並んでいた。背中には鞍と布が載せられていて、ゲストが座りやすくなっている。ラクダはすべてヒトコブラクダ。
日本では、ラクダといったらフタコブラクダのイメージが強いけれど、実は、地球上のラクダの90%近くはヒトコブラクダなのだ。中東やアフリカのラクダはすべてこちらのヒトコブラクダ。その大きなひとつのコブを囲むようにして鞍が乗せられていた。
いよいよラクダの背に乗る。ゲストが乗ってからラクダが立ち上がるのだが、このとき、しっかり掴まっていないとけっこう危ない。彼らは、最初に後ろ足を伸ばして、それから前足を伸ばす。後ろ足を伸ばしたところで鞍が前のめりの体勢になるので、掴まっていないと前に落ちそうになるのだ。なかには、びっくりして叫び声をあげる女性も(笑)。
全員が無事に乗ったところで、4頭ずつ繋がれたラクダが2組、縦一列になって進んでいく。砂の上を歩くので足音もしない。聞こえるのは人の話し声くらいしかない。小さな砂丘をいくつか越えて、歩を進めていると、太陽が地平線に近づいてきた。地平線まで連なる砂丘の陰影が濃くなって、砂漠の風景が美しさを増してきた。あと少しで日が暮れそう、というところでイスが並べてある場所に着いた。
私たちがラクダから降りて記念撮影などを楽しんでいると、2台の四輪駆動車が勢いよく走ってきた。もうひとつのエクスカーション、デューン・バッシングの参加者たちだった。のんびりとしたラクダのツアーと違い、砂を巻き上げながら急斜面を駆け抜けるアグレッシブなツアーだ。彼らが合流したところで、アラビアコーヒーとデーツが配られた。
砂漠に沈む夕陽はとびきりの美しさ。ゲストたちは言葉少なめで、皆さん夕陽に見入っていた。陽が沈み、暗くなる前に四輪駆動車に乗ってリゾートに戻る。ラクダに乗ったのは初めてではないけれど、「やっぱり砂漠はラクダに限る!」と再確認したのだった(笑)。
2015.08.14(金)
文・撮影=たかせ藍沙