ユネスコの文化遺産にも指定された魅力とは

 祇園祭は平安時代の初期から続く、災難厄除けの祭です。日本三大祭のひとつに数えられ、「京都祇園祭の山鉾行事」としてユネスコ無形文化遺産にも指定されています。

 きらびやかな山鉾の巡行がよく知られていますが、これらの鉾を出す鉾町の会所から、祇園囃子の練習が聞こえだすと、私のような京都人は夏祭の代表、祇園祭が近づいてきたとわくわくします。というとカッコイイですが、実際は四条通のアーケードのBGMが祇園囃子に変わった時から意識しだします。

四条通に立つ最も有名な長刀鉾。遠くに函谷鉾、月鉾を望む。この辺りは物凄い人波。

 各町内の役員が集まって神職のお祓いを受ける7月1日の吉符(きっぷ)入りから始まり、様々な神事が1カ月続き、そのすべてを祇園祭と称します。しかし、一般的に祇園祭と聞いて思い浮かべるのは、鉾建て、宵山、山鉾巡行ではないでしょうか。

 祇園祭には、昨年大きな変化がありました。これまで山鉾巡行といえば7月17日の前祭(さきのまつり)だけでしたが、約50年ぶりに7月24日巡行の後祭(あとのまつり)が復活したのです。

 祇園祭を存分に楽しむためのコツを、京都在住カメラマンの私がご紹介していきます。

祇園囃子演奏中。鉾によって曲が違います。基本的に鉾にはお囃子があり、山にはありませんが、お囃子のある山もあります。
祇園祭宵山といえば、駒形提灯。各山鉾によって形や大きさ等は様々です。山鉾の前後に作られた屋台の軒から吊るすもので、名前の由来は将棋の駒に似ているからというのが有力です。宵山の最後に、提灯を一斉に落とす函谷鉾の「駒形提灯落し」は見ものです。
ちまきやお守りの売り上げは、貴重な運営資金なので、各山鉾は童歌を歌う子供や巫女装束などに創意を凝らしています。

2015.07.10(金)
文・撮影=小林禎弘