香港でデザイナーズホテルに泊まるという選択

 ホテル数が多い香港では、どこに泊まろうか迷ってしまうもの。旧正月の香港を楽しむのなら、ナイト・パレードや花火大会の会場に近い九龍半島の尖沙咀がおすすめだ。ホテル激戦区のこのエリアには、老舗から新しいものまで、さまざまなホテルがあるが、ひときわ存在感を放っているのが、「ザ ラックス マナー」。ショップが立ち並ぶキンバリーロードに建つ、デザイナーズホテル。

賑やかなキンバリーロードにあって、各地へのアクセスは申し分なし。

 館内に入ってまず驚かされるのは、その独特な雰囲気。規模もけっして大きくなく、ファシリティーが豪華というわけでもないのだが、とにかく内装が香港のどのホテルとも違うのだ。インテリアのコンセプトは、ずばり「シュールレアリズム」。サルバドール・ダリのデザインをモチーフにしているという館内には、アーティスティックな雰囲気たっぷり。

館内へ足を踏み入れたとたん、外の喧騒とは真逆の世界へ。

 総客室数は159室。建物は12階建てで、最上階には6室の個性溢れるスイートルームも用意されている。客室のカテゴリーでもっとも多いデラックスルームは、猫足のキャビネットにシマウマ模様のカーペットなど、こちらもインテリアは独特。ダストボックスやランプひとつとっても、個性的なものばかり。

女の子の友達の家に招かれたような、ちょっとファンシーなインテリア。

 そんなやや奇抜なデザインの部屋ながら、想像以上に落ち着いて過ごせるのは、機能的な設備が整っているから。カメラや携帯電話の充電をしながら保管できるセーフティーボックスや、テレビ画面をモニターとして使うこともできるインターネット、スマートフォンなど最先端の技術が採用されている。

左:毎日、部屋にはスイーツの用意が。
右:部屋から自由に持ち出せるスマートフォンはさまざまなアプリが使えるようになっていて、街歩きに便利。

 館内にあるレストランは、スカンジナビア料理の「ファインズ」。落ち着きあるインテリアの中で提供されるのは、フィンランドの有名シェフが作りだす北欧料理。また、20世紀初頭のダダイズム芸術運動にインスパイアされた「ダダ・バー+ラウンジ」では、毎週金曜と土曜の夜、バンドの生演奏を楽しむことができる。その他、ビジネスセンターやジムなど、ホテルとしての機能も万全。

左:廊下に置いたチェアは、デザイナーの作品。
右:客室のキャビネットやソファにもこだわりが。

The Luxe Manor(ザ ラックス マナー)
所在地 香港九龍尖沙咀金巴利道39號
電話番号 +852-3763-8880
URL  http://www.theluxemanor.com/default-ja.html

【取材協力】
香港政府観光局
URL http://www.DiscoverHongKong.com/

芹澤和美 (せりざわ かずみ)
アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.serizawa.cn/

2015.03.19(木)
文・撮影=芹澤和美