パンプスやブーティの上からでも、シューズの中に履いてもOKのオリジナルアイテム“レザーパッツ”。肌に吸いつくセンシュアルな表情は、いつもの装いをモードに変えてくれます。フランス製のしなやかなストレッチレザーで履き心地もラクちん。丈は足首ほどのものから腿まであるロングタイプも。今季は写真のスリット入りやファー 付きタイプなども加わり、バリエーションも豊富。レザーパッツ52,000円(税抜)

 2012年に誕生したTAE ASHIDAは、miss ashidaのデザイナーである芦田多恵さんが満を持してスタートさせた新ブランド。展示会に伺うたびに、新素材への挑戦やユニークなオリジナルアイテムの提案、また女性デザイナーならではの視点で機能性を追求する姿勢など、服づくりへのさまざまな想いが詰まったコレクションに感動させられます。それは、オケージョンユースのアイテムが揃うmiss ashidaとは異なる、自由奔放なクリエイション。芦田多恵さんの新たな魅力が存分に発揮されているブランドといえるでしょう。

トレンドの千鳥格子のコートは、驚くことに、このスリムさでダウン素材! 使用されているのは高品質な日本製のダウンパックで、パック自体にストレッチが効いているため動きやすさも抜群です。旬の異素材ミックスによるトリミングで、力強いモダンさをアピール。コート220,000円(税抜)

 今シーズン、私が気になっているのは、ユニークなレザーアクセサリー“レザーパッツ”やスリムでスタイリッシュなダウンコート、レイヤード風のツイードジャケット。

 特に“レザーパッツ”は、TAE ASHIDAが意匠登録を取得したオリジナルアイテムで、足元にブーツともレギンスとも違う新しい表情を演出してくれます。かなりモードなアイテムですが、ブレない品のよさがあるので大丈夫。ノーブルさを核に持ち続けるTAE ASHIDAのスタイルは、あと一歩モードに踏み込めない大人の女性にこそおすすめです。

ラメの煌めきが華やかなツイードジャケットは、ボトムス次第でフォーマルからカジュアルまで着まわせる応用力の高い一枚。モールニットのようなふわふわ素材は、ソフトな着心地でカーディガンのように軽やか。ボレロを重ねたようなレイヤード風デザインもスタイルアップに効果的! ジャケット120,000円(税抜)

 そんな気品漂う芦田多恵さんのスタイルは、やはり日本を代表するデザイナーとして名高い父、芦田淳氏から受け継がれたDNAのなせるワザでしょうか。ジュン アシダは、この12月に、国立新美術館で設立50周年を記念したエキシビションを開催するとか。日本のハイファッションの変遷とともに、アーカイブや復刻作品、エポックメイキングとなったオリジナルアイテム“コンパス”と話題のアーティストとのコラボレーションや、最新コレクションも紹介されるそう。こちらも、ブレない品格とエレガンスを学ぶいい機会になりそうですね。

『エレガンス不滅論。』
~ジュン アシダの軌跡と未来にみる、ファッションのひとつの本質~
期間 2014年12月3日(水)~8日(月)
会場 国立新美術館3階 講堂
時間 10:00~18:00(金曜は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
料金 入場無料

【問い合わせ先】
株式会社ジュン アシダ

電話番号 03-3463-8631
URL http://www.jun-ashida.co.jp/

河井真奈 (かわい まな)
数々の雑誌で活躍するスタイリスト。モードとデイリーのバランスが取れたスタイリングに定評が。著書に『絶対 美人アイテム100』(文藝春秋刊)

Column

河井真奈の「私が今、買いたいもの」

スタイリストの河井真奈さんが、プライベートで今リアルに欲しいと思っているほどお気に入りのアイテムをピックアップ!

2014.11.13(木)
文=村上治子