双子をトラックにのせたまま爆発物検査
双子をのせたトラックは、1月27日(火)午後1時30分頃、上野動物園を出発した。出発後、福田園長は輸送について「動物の輸送全般に言えることですが、1番心配なのは、車が移動している最中に暴れたり、パニックになったりして、動物の体温が急上昇してしまうことです。そうしたことがないように、事前に十分準備をしますし、また、寒い時期を選ぶといったことをしています。動物を扱っている方は、その辺りをよく承知していて、念を押す形になりますけれども、今回もドライバーなど関係される皆様によろしくお願いしますと確認しました」と語った。
トラックは阪急阪神エクスプレスによって手配された。同社は、上野動物園と中国の間の全てのパンダ輸送に関わっている。今回も上野動物園から中国・四川省の成都天府空港までの輸送をサポートした。
トラックは午後3時頃に成田空港の保税蔵置場に到着。ここで、双子をトラックにのせたまま爆発物検査と輸出通関を済ませた。その後、別の建物に移動して、双子の入った輸送箱をトラックから輸送機材に積み替え、貨物機に搭載した。この貨物機は、中国・四川航空のチャーター便だ。ちなみにシャンシャン、リーリーとシンシンは中国・順豊航空の貨物機(チャーター便)を使ったが、今回は上野動物園の要望で四川航空を利用した。
貨物機には、双子を安心させるため、上野動物園の飼育係1人が同乗。中国ジャイアントパンダ保護研究センターから事前に来日していた経験豊かな獣医師1人も同乗した。この2人以外の関係者は、別の航空機で中国に行った。上野動物園は、同センターと日ごろから情報を共有している。そのため同センターの専門家は「2頭の状況について、よく理解していると思いますが、改めて職員が行った折に対面して、細かな情報を伝えることになると思います」と福田園長は1月27日(火)に話していた。
なお、中国へ向かうときに双子にあげた食べ物と、双子を運んだ乗り物の温度を筆者が上野動物園に尋ねたところ、成田空港で与えたのはリンゴとパンダ団子(それ以降の給餌は非開示)、トラック内と貨物機内の温度は「いずれも10~15℃の範囲になるよう調整しました」(同園の職員)とのことだ。
消毒などの検疫準備完了
双子をのせた貨物機は、1月27日(火)午後8時頃に飛び立ち、予定通り約6時間後の1月28日(水)午前2時頃(現地時間は午前1時頃)、成都天府空港に到着した。中国側の手続きを終えた後、双子をのせたトラックは、成都天府空港から約200km離れた雅安基地へ。日本時間で午前6時頃(現地時間で午前5時頃)に到着して、雅安基地の検疫施設に入った。
中国ジャイアントパンダ保護研究センターは、双子が環境に早く適応して、検疫を終えられるように、動物舎の消毒などの検疫準備を完了させておいたと1月28日にWeiboで発信した。双子が検疫を終えた後は、気候や食べ物、飼育員の言語といった環境に適応する期間が設けられ、その後、一般公開となる見通しだ。双子がどこの飼育施設で、いつ公開されるかは、現時点で明確には決まっていない。

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