CREA2026年冬号「贈りものバイブル」好評発売中! 50人の“贈りもの賢者”に、会話が弾む「語りたくなる」贈りものを教えてもらいました。「ねえ知ってる?」と、誰かに話したくなる、約600点が登場します。

 「贈りもの」を探しに福井を旅した、世界的ショコラティエのジャン=ポール・エヴァンさん。今回は、越前漆器の伝統を守り継ぐ「漆琳堂」を訪ねました。


福井、手仕事と出合う旅

 休暇中のジャン=ポール・エヴァンさんが家族と訪れたのは、手仕事の伝統が色濃く残る福井。工芸品から食品までさまざまな職人と出会い、交流した。エヴァンさんの心を動かしたのは、情熱を持って仕事と向き合い、次世代の幸せも考え、自分の知識や経験を未来に繋ごうとする姿。

 「職人は大変な仕事ですが、どの人もまっとうでブレがなく、エネルギーに溢れていました」と、エヴァンさんが語れば、今回、一緒に旅をした息子のアントナン君も、「すべてが本物で、知らないことばかりだった」と、敬意をこめて振り返る。「高品質=職人文化」と、エヴァンさん。

「誰かになにかを贈るならば、そうした本当に価値あるものを僕は選びたいと思います」

漆器

約1500年の歴史を持つ越前漆器。生活に根差して育まれてきた、伝統と革新のスタイル

 「漆琳堂」は、1793年創業の塗師屋。

 8代目の内田徹さんを先頭に、職人たちが刷毛を使って丁寧に漆を塗る技術を継承し、伝統的意匠だけでなくモダンな漆器も手掛ける。

 木地として樹齢約100年の広葉樹が使われ、漆が固まるには適度な湿度を要すること、仏事などで漆器が広く使われてきたことなど、土地との繋がりを知ったエヴァンさん。

 季節の花々が描かれた伝統的な椀の美しさにもため息を漏らした。

 工房では、削り出された木地の軽さと美しさや、漆の扱いおよび塗りの作業の繊細さに感激した様子。

 「漆器はすごく貴重なものだと実感しました」と語り、ショコラをのせたいと、モダンな器もおみやげに。

漆琳堂

所在地 福井県鯖江市西袋町701
電話番号 0778-65-0630
営業時間 10:00~17:00
定休日 不定休(SNSで確認)
https://shitsurindo.com/
●工房併設のショップ、ショールームで商品の購入可。ワークショップや工房見学などあり

ジャン=ポール・エヴァンさん
ショコラティエ

1957年、フランス・マイエンヌ生まれ。「ホテル・ニッコー・ド・パリ」シェフ・パティシエを経て、「ペルティエ」東京店のシェフ・パティシエに就任。86年、フランス国家最優秀職人章(MOF)を受章し、88年に独立。カカオ生産者の支援にも注力し、卓越した創造性と技術、情熱で、世界中の人々を魅了する。
嬉しかった贈りもの:父と庭のリンゴでカルヴァドス酒を造ったのはいい思い出。


 続きは「CREA」2026年冬号でお読みいただけます。

次の記事に続く 「10年前の紙からショウガの香りがするよ!」“夏休みの...

CREA 2026年冬号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

贈りものバイブル

CREA 2026年冬号

贈りものバイブル

定価980円