この記事の連載
マウンテンゴリラに会いに行く #1
マウンテンゴリラに会いに行く #2
マウンテンゴリラに会いに行く #3
マウンテンゴリラに会いに行く #4
ルワンダがラグジュアリートラベラーに人気の理由

密猟者はマウンテンゴリラにとって最大の脅威だった。背景には人が密猟を生活の糧にせざるを得ない状況があった。ゴリラトレッキングによる観光業は、地元に経済利益をもたらし、結果として密猟者を減らすことになった。実際、ゴリラトレッキングが盛んになってからマウンテンゴリラの生息数は増えている。
だが、ダイアン・フォッシーの死後もルワンダは苦難の歴史が続いた。1994年のルワンダ虐殺である。平和が戻りゴリラトレッキングが再開されたのは1999年のことである。

ルワンダのヴォルカノ(火山)国立公園には現在、ゴリラトレッキングで会うことが出来る家族が10あり、彼らの生息地は毎日、専門家チームによってモニタリングされている。
ゴリラトレッキングに参加するには「パーミット(許可証)」の申請が必要だ。一般的にサファリはロッジが主催で宿泊料に含まれることが多いが、ゴリラトレッキングは国の組織主催のため別料金。ルワンダの場合は1日1人USD1500。ガイド料がこの料金に含まれる。ウガンダの1日1人USD800と比べると倍近い。
だが、ルワンダはモニタリングの精度が高く、体力に応じて歩く時間が選べるので1時間程度のトレッキングでもゴリラに会うことが可能。何時間かかるか運次第のウガンダよりもラクなのだ。

そのメリットに加えて、ヴォルカノ国立公園では、2017年にウィルダネス・ビサテが開業して以降、姉妹ロッジのビサテ・リザーブやシンギータ・クウィトンダ・ロッジが相次いで進出。ラグジュアリーサファリトラベラーの注目が高まった。
サファリロッジでゲームドライブに参加しないゲストがいないのと同じく、ヴォルカノのラグジュアリーロッジに泊まってゴリラトレッキングに参加しないゲストはほとんどいない。

Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2025.09.22(月)
文=山口由美
CREA Traveller 2025年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。