文化祭を目前に控えた女子高生たちが、ひょんなことからバンドを結成し、ブルーハーツの名曲を演奏するまでを描いた、山下敦弘監督の『リンダ リンダ リンダ』。2005年の公開から20年を経た今もなお観客の心に響き続けている映画が4Kデジタルリマスター版としてスクリーンに帰ってきた。再集結した主演のペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織が作品を通して“青春時代”を振り返る。(全2回の1回目/2回目を読む)

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ペ・ドゥナ「3人に会うのが少し怖かった」
──リバイバル上映が決まり、どのようなお気持ちでしたか。
前田亜季(以下、前田) 本当に大好きな作品なので、純粋に嬉しかったです。また4人で集まれることも、ご褒美みたいな時間だと思いました。

関根史織(以下、関根) 私はBase Ball Bearというバンドのベーシストなので、映画に出たのは、後にも先にも『リンダ リンダ リンダ』だけです。演技については不安だらけでしたが、3人や監督、脚本のおかげで、なんとか形にしてもらえました。どこに行っても「あの映画が大好きです」と言われ続けてきたので、4Kで上映されて、さらに多くの人に見てもらえるのは本当に嬉しいです。

香椎由宇(以下、香椎) 私は映画公開に合わせて(ペ・)ドゥナが来日するというのを聞いて、すごく嬉しかった。4Kという技術がなければ、(リバイバル上映は)企画されなかったかもしれないし、4人が再び集まることもできなかったと考えると、時代が作ってくれたありがたい機会だなと思いました。
ペ・ドゥナ(以下、ドゥナ) 私も(リバイバル公開決定は)最近のお知らせのなかで一番嬉しいニュースでした。でも、3人に会う前はすごく緊張していたんです。私にとって3人は本当に大切な友人なので、あれから20年も経って、俳優としても人生でもいろいろな経験を重ねて垢が染みついた自分を、3人はどう思うだろうと考えたら会うのが少し怖くて。
2025.09.09(火)
文=相澤洋美