〈【『リンダ リンダ リンダ』20年目の同窓会】ペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織が振り返る、私たちの“青春時代”〔前編〕〉から続く
2005年に公開された山下敦弘監督の映画『リンダ リンダ リンダ』。20年ぶりの映画再上映を4人はどのように観たのか。久しぶりに集結した4人が、当時の撮影秘話も語った。(全2回の2回目/最初から読む)

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関根「恥ずかしそうにしていたら、監督は『そのままがリアルでいい』と」
香椎由宇(以下、香椎) 久しぶりに映画を観て、あらためていい時間をもらっていたと感じました。海外の俳優さんとご一緒させていただくのも初めてで、すごくいい刺激になりました。
ペ・ドゥナ(以下、ドゥナ) 私は監督に「歌はできません。日本語もできません」と言っていました。でも、「歌も日本語もできなくて大丈夫ですよ」と言っていただいて。「無理にほかの誰かになろうとしなくても、ありのままの自分でいいんだ」と、安心して挑めました。

関根史織(以下、関根) ブルーハーツの歌を部室で初めて聞いた時、恵(ケイ)と響子がわあっと盛り上がって歌い踊るシーンがあります。脚本では「3人で盛り上がる」と書かれていましたが、私が乗り切れずに恥ずかしそうにしていたら、監督から「そのままがリアルでいい」と言ってくださり、OKカットになりました。そういうところを大切にしてもらえたのは、本当にありがたかったです。

前田亜季(以下、前田) それぞれのキャラクターをよく見てくれていましたよね。私が演じた山田響子は、「人と目が合うととりあえず笑ってしまう」という設定でしたが、これもリハーサルの時の私の様子を見て、監督が反映してくださったように記憶しています。
ドゥナ 監督はキャラクター設定に多くの余白を残してくださっていたので、そこに私たち4人本来のキャラクターを重ね合わせて、いいコラボレーションができたのだと思います。
2025.09.10(水)
文=相澤洋美