ペ・ドゥナ「なんで私だけスカート丈が長いんですか?」
香椎 「こういう設定だからこうしてください」というのではなくて、ありのままの私たち4人を切り取ってフィルムに収めてくれているような無理のない設定でした。
前田 ただ、設定そのものは細かかった。制服の設定も、響子のリボンはなし、(香椎由宇が演じた立花)恵(ケイ)はリボンをゆるく下にずらす、などと、打ち合わせで細かく話し合ったのを覚えています。
関根 (ペ・ドゥナが演じた)ソンさんは真面目な学生という設定だったから、「スカート丈が一番長い」って書いてあった。
ドゥナ 私、監督に「なんで私だけスカート丈が長いんですか」って聞きました(笑)。

キャラクター設定や演出に細かいリクエストを出す山下監督は、素のままの自分たちを引き出すことも大事にしてくれたと4人は話す。

ドゥナ アドリブが多かった夜の部室でこっそり練習するシーンは、4人の間で自然に沸き起こる感情を、そのまま切り取ってもらえたと思います。
香椎「プールで浮かんでいるシーンが寒くて……」
前田 スーパーで買い物するシーンもアドリブ多めだったよね。でも、一見アドリブのように見える夜の屋上のシーンでは、相当リハをやったことを覚えています。
香椎 私は、プールで浮かぶシーンが印象に残っています。背中にビート板を入れて必死で浮かんでいましたが、ずっとプールに入っていると寒くて……。
前田 撮影は9月だったけど、あの頃の9月は寒かったよね。あのシーンは過酷そうだなと思いながら見ていました。
関根 雨に濡れるシーンも寒かった。あの時、ドゥナちゃんが差し入れてくれた「辛ラーメン(韓国発祥のインスタントラーメン)」が美味しくて。まだ日本では知られていなくて、こんな美味しいものがあるのかってみんなで食べたよね。今は普通にコンビニでも売っているけど、見かけるたびにドゥナちゃんを思い出しています。
2025.09.10(水)
文=相澤洋美