ご縁を紡ぐ週1間借りカフェの物語

 インタビュー中に何度も話に上がった、"常連さん"の存在。週1営業の間借り店にこれほどの固定ファンが?......そのわけは大熊さんの経歴を伺う中で紐解かれていきました。

 元々はアパレル大手に勤務していた大熊さん。「これからはコーヒーの時代だ!」と話すキーパーソンとの出会いがきっかけでコーヒーの世界へ飛び込み、サードウェーブが話題になる前からコーヒービジネスに関わってきました。門前仲町の「MONZ CAFE」での経験は、白紙の土台となっているといいます。

 実は白紙の前には、お粥カフェを新橋で期間限定オープン。女性客の多い立地を見込み、「ランチができるお粥カフェを。コーヒーの店にしようとは全く考えませんでした」と大熊さん。お客さんに何が喜ばれるか? という思いを貫いた潔い判断でした。

 人気のまま契約満了で閉店するも、忙しすぎた日々に燃え尽きてしまいしばらく雲隠れしていたそう。そんな中、お粥カフェの常連客からの「今、どこで何やってるんだ!」という連絡が転機に。常連客への顔見せの場として白紙がスタートしました。

 白紙という間借り店は、大熊さんにとってお客さんと繋がっている場所。結局現在も休むこともままならない忙しさですが、お店やお客さんのことを話す姿はなんだか楽しそう。今後の展望を伺っても気負わぬおおらかさです。

「普通は間借り店から自分の城を持つことが目標なのでしょうけど、自分は逆。とにかく現状維持です。無理に拡大しないで、僕のことを理解してくれるお客さんと『村』のようなお店を続けていきたいですね」

来店前にチェック! 予約やメニューは公式SNSで

 金曜日の午後のみオープンしている間借りカフェ「白紙」。ここでしか味わえない珠玉のスイーツと名物オーナーシェフとのおしゃべりは、週末の疲れた心身をそっと癒し、また頑張ろうという活力になってくれるはず。

 インスタグラムのDMから予約をしておくことがおすすめですが、空いていればフリーの来店も可能だそう。15:00〜17:00が狙い目です。インスタグラムでは営業日やメニューがチェックできるとともに、大熊さんの個性爆発の投稿もまた一興。来店前に要チェックを!

白紙

住所:東京都江東区森下3-10-20
営業日:毎週金曜日
営業時間:13:00-21:00
公式Instagramはこちら

2025.08.28(木)
文=上野 郁
写真=深野未季