週1日営業、夜のみオープン......最近目にする「間借り営業」の飲食店。いつでも行けるわけではない、ふらっと立ち寄るわけにもいかない。だからこそ、強く心惹かれるというものです。

 そんな、間借り営業(ポップアップ)している飲食店を巡るこのシリーズ。間借り店ならではのこだわりや創意あふれるグルメを求めて、いざホッピング!

» 金曜午後だけの特別な扉。清澄白河「白紙」
» 甘み・酸味・塩味が重なる、桃と梅とブルーチーズのパフェ
» 同じ味には二度と出会えない「白紙」の楽しみ方
» ご縁を紡ぐ週1間借りカフェの物語
» 来店前にチェック!予約やメニューは公式SNSで


金曜午後だけの特別な扉。清澄白河「白紙」

 シリーズ第1回目は、金曜日だけの週1営業ながら多くのファンが集う、清澄白河の「白紙」を訪ねました。

 バナナの形が見えないバナナパフェ、大人のチョコミント、パフェでフルーツポンチ!......そんな月替わりで楽しめる旬のフルーツを使ったパフェやケーキ。オーナーシェフの大熊智哉さんのインスピレーションから生まれる唯一無二かつ、決してリバイバルされない一期一会の逸品です。

「その季節で一番おいしいフルーツを選び、どんなカタチにしたら見たことないか? とまず考えます。初めての食体験を提供したい。白紙ならどう作るのかを楽しんでもらいたい」と大熊さん。

 わざわざ訪れてくれるお客さんに、白紙でしか食べられないスイーツを提供するのが大熊さんの信条です。お客さん第一のスタンスは、「何もないところにお客さんが居て、ひとつに成るお店へ」という意味を持つ店名にも込められています。

 パフェについて、「アイスはなるべく使いたくない」と大熊さんは話します。一般的に思い描くパフェの概念を覆す、そんなやり方も大熊流。

「パフェの中にアイスが入っている必要性ってなんだろうって。温度のコントラストをつける意味があることは知っていますが、冷たすぎてその後の味を感じづらくなるんです。パフェはレイヤーを味わうことが一番の醍醐味。隣接する層の混ざり合った味もしっかり感じてほしいです」

2025.08.28(木)
文=上野 郁
写真=深野未季