甘み・酸味・塩味が重なる、桃と梅とブルーチーズのパフェ
月替わりのため、定番や人気メニューという存在がない白紙。この日のパフェは「桃と梅とブルーチーズのパフェ」です。洗練された見た目にまずうっとり。

清らかな甘みをもつ福島産の桃は、果実そのままと豆乳仕立ての桃スムージーに。そこへブルーチーズのしっかりとした塩味とコク。さらに、梅酒漬けの実をじっくり煮詰め、はちみつでまろやかに仕上げた梅ジュレの酸味が加わることで、夏らしい清涼感も演出します。
それぞれで食べても抜群においしく、重なり合えば甘み・塩味・酸味が一体となった至福のひとさじに。

こちらは、レモンピールとオリジナルのレモネードシロップが溶け込んだ「檸檬のチーズケーキ」。なめらかな口どけのバスクチーズケーキに、ふわっとレモンの香りが重なり、意外なほど軽い食べ心地。一見ボリューミーながらどんどん食べ進められ、気づけば最後の一口まで堪能。

「9月のパフェはイチジクを予定しています。ラム酒なのか赤ワインなのか、アルコールを飛ばしたお酒と合わせて大人な感じにしたい」
さわやかな夏パフェから一転、芳醇な秋パフェにも期待が膨らみます!
同じ味には二度と出会えない「白紙」の楽しみ方
白紙がオープンしてから4年、これまで提供したことないメニューを毎月欠かさず考えている大熊さん。週1で白紙のオーナーシェフ、それ以外の日は洋菓子店勤務という忙しい日々を送る中で、毎度、試行錯誤だそう。

「季節のフルーツは去年の同じ時期と同じものを使うことが多いのですが、それをどう作り上げるか。一年前の自分を超えるのが大変で」
同じフルーツを使っても、同じ味にはならない。それが白紙に通いたくなる理由のひとつです。

「月に1回来ていただいて、12個のパフェを食べてもらう。年月を重ねて、例えば去年と今年のどちらがおいしかったか比べてもらえると、うちをより楽しめるはず。常連さんは『去年の方が良かったね』ともうはっきり言ってくれるんですよ」と大熊さんは笑います。
2025.08.28(木)
文=上野 郁
写真=深野未季