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映画『ラーゲリより愛を込めて』の現場は、とにかく緊張した

――習い事感覚から、演技を仕事として捉え始めた出来事は?

 今の事務所(トップコート)に入ったことです。初めてマネージャーさんがついて、尊敬する先輩方と関わることも多くなりました。しかも、昔からレッスンやオーディションでよく会っていた中川翼くんが同じ事務所に入っていたことも大きいです。その頃はオーディションに行くたびに、「こんな人たちと戦わなきゃいけないんだ」といった気持ちが強かったです。

――その後、映画『ラーゲリより愛を込めて』(22年)では日本軍捕虜となる後藤役で出演。二宮和也さんや松坂桃李さんらとの共演エピソードを教えてください。

 とにかく緊張していましたし、自分が生まれる前の時代の話でもあるので、役に入り込むまでが難しかったです。でも、二宮さんと事務所の先輩である松坂さん、そのほかのキャストのみなさんのお芝居を見て学ぶことで、なんとか役を演じることができました。

 二宮さんはとても優しく接してくださったのですが、シリアスなシーンが多かったこともあり、どうしても楽しく話をするような状況ではありませんでした。松坂さんには、せっかくの機会なので「どうしたら役作りできますか?」などできるだけ質問をして、いろいろ教えていただきました。

2025.08.22(金)
文=くれい 響
写真=平松市聖
ヘアメイク=髙橋幸一(Nestation)
スタイリング=西村咲喜