自分の意思か、誰かの影響かを正しく知るための方法

――自分の夢なのに、なぜ意思決定に迷いが生じるのでしょうか。
中島 前篇でも申し上げた通り、情報の海に溺れてしまうことも原因のひとつだと思います。
たくさんの選択肢がある中で、自分の目指す未来を選択していくためには、先に大枠を決め、条件別に整理していくと判断がしやすくなります。
また、自分が何を譲れなくて、どういうことなら妥協することができるのかを知るためには、「○×表」のようなシートを作り、埋めていくのもよい方法です。
本書では、上記2つのワークを、洗濯機を購入するとき情報がたくさんありすぎて決められないケースで活用していますが、自分の好みを知ることや頭を整理するうえでとても有効な方法でもあります。

――選択肢が多すぎると、「自分が本当は何を望んでいるか」に気づくのが難しくなってしまうのですね。
中島 そうですね。しかも現代では、SNSでキラキラ活躍しているインフルエンサーがどうしても目に入ります。「私もああなりたい」「こんなふうに働きたい」と憧れる気持ちはわかりますが、それが「本当に自分が望んでいること」ではないことも多々あります。だからこそ「そのイメージは誰の願望なのか」を正しく見極めてほしいと思います。
――自分の意思か、誰かの影響かを正しく知るためにおすすめの方法があれば教えてください。
中島 一般的に人生で重要だとみなされるような価値観を30~50個あげて、その中から自分が人生で大切にしたいキーワードを5つ選ぶというワークがおすすめです。人生で大切にしたいキーワードを選ぶことで、たとえば安定した未来がいいのか、多少のリスクはあってもチャレンジし続ける人生がいいのかなど、自分が何を大事にしていて、どんな人生を歩みたいかが見えてきます。
パッと浮かんだイメージの中に、本当の望みが隠れていることが多いので、選んだらぜひ、なぜそれを望んだのか、叶えるためには何をすればいいかも考えてみるとよいと思います。
2025.07.30(水)
文=相澤洋美
撮影=平松市聖