この記事の連載
中華ベーカリー【お食事パン篇】
中華ベーカリー【菓子パン篇】
まるでオムレツみたいな、とうもろこしが香る焼きパン


オムレツのような色とフォルムをしていますが、こちらも店で人気のプレーンなパン。細かく挽いたとうもろこし粉(コーンフラワー)で作った生地を発酵させ、蒸してからフライパンで焼き上げます。噛みしめるほどにとうもろこしの風味がふわりと広がり、おとなもこどもも好き! な味。軽く温めてバターをのせて食べても、豆乳やポタージュと一緒に味わっても。
現地でしか食べられなかった、揚げたての「朝の定番」

「揚げパン(油条)」は、北京や台北の朝食に欠かせないといってもいい屋台フードです。柔らかい生地を油を熱した大鍋に落とし入れ、ぷわーっと膨れるまで揚げたもの。ドーナツと違って甘くはなく、ほんのり塩味。揚げたての油条の味は格別です!
あたたかい豆乳や牛乳、スープに浸して食べたり、お粥に入れて食べたり。ほどよい油のコクや香ばしさがスープやお粥に移り、「揚げパン(油条)」もしっとり食べやすくなります。油で揚げてはいますが西洋パンより軽い食べ心地で、朝の目覚めにぴったりの食べものです。
インパクト大! 肉でんぶ×マヨ×練乳のお味は?

衣のようなフワフワとしたものをまとった不思議な姿のパン。フワフワの正体は中国人が愛してやまないトッピングのひとつである「肉松」です。“肉でんぶ”と訳されることもあるように、日本でいうところの“桜でんぶ”に近いトッピング。日本のでんぶは魚で作りますが、こちらの材料は豚肉で、砂糖と醤油で甘じょっぱく炒めてフレーク状にします。ケーキやドーナツのトッピングに、卵焼きやご飯に混ぜるなど、中国全土で愛用される万能食材です。
「肉松(豚肉フレーク)マヨパン」は、ネギとハムをトッピングし、オーブンで焼き上げた菓子パン生地に、さらに甘い練乳とマヨネーズをぬってサンド。最後に肉松をたっぷりまぶして完成という、どんな味がするの!? と日本人には想像だにできない組み合わせ。甘くてしょっぱくて、パンはふわふわ。スイーツのような総菜パンのような、なんとも形容しがたいお味ですが、一度食べたら忘れられないインパクトの強さ。おもたせにすれば、会話も弾みまくる楽しいパンです。
2025.06.28(土)
文=嶺月香里
写真=鈴木七絵