■有機自然農法の東山珈琲農場へ
台南市は豊かな農業地帯でもあります。関子嶺温泉から山の上へと向かうと、有機自然農法の珈琲農園が集まる東山珈琲農場があります。
農薬を使わず、自然のサイクルを大切にしながら天然のミツバチや野生の生き物と共生して作物を育てる「生体農場」(有機自然農法)で、コーヒーを育てる小さな農園が集まっています。
今回訪れたのは「大鋤花間咖啡生態農場」。収穫したコーヒー豆を2週間天日干しにして、自家焙煎したコーヒーが楽しめます。
東山珈琲農園でのアラビカのテピカ種珈琲豆の栽培は日本統治時代に広まりました。大鋤花間咖啡生態農場では6年ごとに枝を切り1年休ませることで本来の力を引き出して育てる希少生産。軽やかで華やかな香りが特徴です。
クリエイティブな仕事から転身して珈琲農園を始めたご夫妻が営む「大鋤花間」は、絶景の見晴らしとナチュラルな空間のカフェで珈琲やスイーツを楽しめます。
東山は台湾最大のコーヒー豆の生産地で、世界のコンテストで受賞するなど注目の品種のひとつです。一体は東山175珈琲公路(コーヒーロード)と呼ばれ、家族で営む自然農法の珈琲農園やカフェが点在しています。
それぞれの農園にこだわりがあり、味も雰囲気も特徴があります。
自家焙煎したコーヒー豆を挽いて、ご主人がサイフォンで丁寧に淹れてくれた珈琲は、酸味・苦味・渋味がふんわりと融合し、体にすっとしみ込むようなおいしさ。霧がかかる山や森を眺めてコーヒーを味わう至福の時間です。
關子嶺温泉でしか入れない泥湯の温泉リゾートで肌をつやつやに磨き、高原の風に吹かれて希少な東山珈琲を味わう旅は、きっと新たな台湾の魅力との出会いになるはずです。
關子嶺温泉 景大渡假莊園(The King’s Garden Villa)
大鋤花間咖啡生態農場(Dachu Coffee Estate)
2024.11.13(水)
文・写真=石井宏子
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