この記事の連載
- パク・ソンフン インタビュー【前篇】
- パク・ソンフン インタビュー【後篇】
俳優になろうと決意したとき
――パク・ソンフンさんが俳優になったきっかけについてもお聞きしたいのですが、幼い頃から俳優や芸能界に憧れを持っていたのでしょうか?
特にこれといったきっかけがあったわけではないんですよね。でも、誰もが人生において一度くらいはテレビに出てみたいなとかって思うことってあるんじゃないかと思うんです。それが僕にとっては大学入試を控えた頃でした。
その頃、進路についてとても悩んでいたんです。そのときに、俳優をやってみようかという気持ちが芽生えてきて、漠然と俳優をやってみようかと思いついたんです。そこで、演劇のレッスンを受けたりして、挑戦することにしました。
――そこで何か手ごたえを感じたのでしょうか?
そうですね。レッスンで演技をしたときに手ごたえは感じていました。大学でも演技の勉強をしまして、演劇の公演もしたんですけど、そのときに自分は演技の道に進もうと決心することになりました。
――その後、転機になったと思えた作品はありましたか?
今の話に関わってくるんですけど、大学では演劇映画科というところで学んでいました。そこでは、一学期ごとに演劇の公演をしないといけなかったんです。
僕は大学に入ってしばらくは、存在感があまりない学生だったんですけど、あるとき教授が公演の主人公に抜擢してくれました。それまで、特に目立たなかった僕が主人公を演じるということで、周りの友人たちからも「大丈夫かな?」と心配されているような視線を感じていたんですけど、稽古を重ねるうちに、僕自身も徐々に自分の演技に対して自信が湧いてきて、公演中も見てくれていた友人たちも前のめりになってきて。
最後にカーテンコールがあったときには、大きな拍手を頂きました。このときに達成感を感じて俳優になろうと決意しました。
2024.11.10(日)
文=西森路代
写真=佐藤 亘