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コンプレックスが自分の原動力に

――ご自身では、大学に入ったときに存在感がなかったとおっしゃいますが、今のドラマなどを見る限りでは、想像がつかないですね。

 大学の演劇映画科のようなところに入ってくる学生というのは、すごく明るくて、社交的で、また才能を持った人が多いんです。そういう人たちの中にいると、僕は特に才能はないし、内向的で人見知りだったので、そこまでの存在感はない学生でした。

――そういう存在感のない学生だったと自身でおっしゃるパク・ソンフンさんが、現在に至るまでで、どのように変化しましたか? 社交的になったりとかしましたか?

 コンプレックスが自分の原動力になりました。学生時代は存在感がなかった上に、俳優を志しているというのに、人前に立つことすら怖いと思うような感情も持っていたんです。演技力も特にずば抜けて持っているというわけではなかったので、一生懸命努力しました。でも、劣等感やコンプレックスがあったからこそ、その努力もできたのかなって思います。

――その後、ドラマや映画で活躍することになりますが、その間にはどのようなことがありましたか?

 韓国には大学路(テハンノ)という街があるんです。学生たちがいっぱいいて、学生たちの芸術活動が盛んな街なんですけど、そこで演劇もたくさん行われているんです。僕も、いわゆる下積みの時代を過ごして、演劇をたくさんしていた時代が長くあったんです。そういう時代を経てドラマや映画に出演することになりました。

 大学路でやった演劇の公演に、『模範生たち』というものがあって印象に残っています。そのときに、演劇の公演というものは、本当に数多くの稽古を経て初めて、舞台に上がれるものだと実感しまして、その経験を経たことで演技にも自信がつきました。

パク・ソンフン

1985年2月18日生まれ。2015年、第23回 大韓民国文化芸能大賞 ドラマ部門受賞。2018年、KBS演技大賞男性新人賞受賞。2022年『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』(Netflix)のチョン・ジェジュン役で話題に。2024年、歴代最高視聴率を記録した『涙の女王』(tvN)にも出演。

パク・ソンフン 日本オフィシャルファンクラブ

https://parksunghoon.jp/

次の話を読む『イカゲーム』シーズン2にも出演のパク・ソンフン「『涙の女王』共演者とは今もカカオトークで連絡を」

2024.11.10(日)
文=西森路代
写真=佐藤 亘