好きが高じて、カバーアルバム&同人誌も作るように
――そしてコミケで売るという。
そうなんです。CDだけじゃ飽き足らず、想い余って解説冊子も作って、コミケで頒布してみました。そしたら想像以上にたくさんの人がブースにきてくれて、すごく興奮しました。
ミュージシャン目線で見ても、本当に美味しんぼの曲はどの曲もすごくイケてて、素敵なんです。曲名もすごい素敵で、「モーニングクロワッサン」とか「レモンシャーベットな思い出」とか。お洒落すぎますよね。
――音楽的な魅力はどんなところでしょう?
漫画と通ずるところがあって、その時代を色濃く反映しているというか。バブル期のシティポップサウンドが本当に最高で。象徴的なのは、ドラムにゲートリバーブっていう音響効果をつけるっていうのが、当時めちゃくちゃ流行ったんですが、それが超多用されてることが、まずめちゃくちゃアガります。それにシンセサイザーが流行っていた時代なんで、演奏にまぁまぁ電子楽器が使われてて、80年代感満載なのが魅力ですかね。あとはやっぱり私がサックス奏者なので、サックスが入っているところも超超魅力ですね。
――美味しんぼは、10年前に111巻が出て以来、漫画のほうは休載中ということになっていますが、今もなお根強いファンがいますよね。
2020年に公式のYouTubeチャンネルが突然できて、昔のコンテンツを流しているだけなのに、登録者数が約50万人ってすごいですよね。美味しんぼは1983年から始まった漫画ってこともあって、世界観もすごく昭和でレトロなんですよね。パソコンが無いから、みんな大きな紙を広げて仕事してるし、タバコもめちゃくちゃ吸う。そういう時代資料的な文化を見つけるのも楽しかったりします。
――これからの野望を教えてください。
とりあえずCDは3部作構想なので、まずは2作目のアルバムを作りたいですね。1枚目を作ったときにコミケに初めて出たんですが、コミケってすごいんです。音楽活動をしているだけじゃ出会えなかった人たちに会えるし、まだ見ぬ“美味しんばー”の方々とお話できたり、すごく楽しくて。
私たちの推し活をきっかけに、公式のサントラの第2弾が出てくれたら嬉しいので、今後も“美味しんばー”としてラブコールを送っていきたいし、その熱量をライブやコミケで“美味しんばー”の皆さんと共有してきたいです。
岡村トモ子(おかむら・ともこ)
山口県下関市生まれ。2008年 女性ビッグバンド「たをやめオルケスタ」をスタート。ライブ・ツアー・CD制作・衣装制作・PV制作すべてをプロデュースする。2009年「チャラン・ポ・ランタン」のバックバンド「カンカンバルカン楽団」に参加。2017年 にはSKAバンド「The SKAMOTTS」結成、リーダーとして活動を続けるほか、エッセイ本『夢も、涙も、何ひとつ』を出版するなど、幅広い活躍をしている。
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美曲倶楽部vol.2
日時 11月2日(土)18:00~
※開場は17:30~
場所 音楽実験室 新世界
所在 港区西麻布1-8-4 三保谷ビルB1
料金 前売 3,500円、当日 4,000円(ドリンク別)
チケット予約 http://shinsekai9.jp/ticket/
美曲倶楽部 https://twitter.com/bikyoku_club
2024.10.31(木)
取材・文=吉川愛歩
撮影=鈴木七絵