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 スーパー戦隊シリーズ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』で主演を務め、『ViVi国宝級イケメンランキング2024年上半期NOW部門』では初ランクインも果たした、いま、人気急上昇中の俳優・樋口幸平さん。

 2024年9月20日(金)には自身初となる『樋口幸平ファースト写真集 treasure-宝物』(主婦と生活社刊・以下『treasure』)がリリースされた。本作では、樋口さんの出身地・兵庫県神戸市の思い出の地をめぐったほか、現在の活動拠点である東京でも撮影を敢行、素顔の彼がのぞける贅沢な仕上がりになっている。

 CREA WEBでは前後篇で樋口さんにロングインタビューを実施。前篇では、樋口さんがセレクトしたというスポットにまつわるエピソードや、『treasure』ならではの写真の切り取り方など、幅広く話をうかがった。

» 後篇「“海外も注目”俳優・樋口幸平インタビュー「仕事が楽しくてワクワクして幸せ」 私生活は“俳優4人で鬼ごっこ”の日も」


みんなの宝物になる、写真集ができた

――『treasure』の発売、おめでとうございます。最初にオファーがきたときは、どんな思いで受け止めましたか?

 ありがとうございます。いつかは写真集を出せたらと思っていたので、本当に念願叶った1冊になりました。タイミング的にも、「今この自分を一番見てほしい」と思えるときに出したいと思っていたんです。これから頑張らなければいけない、という時期に出せたら一番いいなと考えていたので、完璧なタイミングで届けられることを幸せに感じています。

 『treasure』に出ているメインは僕ですけど、この1冊を作り上げるにあたり、本当に多くの皆さんが関わってくれました。マネージャーさん、お話をくださった主婦と生活社さん、メイクさんに衣装さん…挙げればきりがないくらい。そんな皆さんとチームになって作れたことも僕自身の宝物になりました。

――となると、タイトルの『treasure-宝物』は樋口さんが発案したんですか?

 はい。自分が宝物だと思っている人たち、自分がすごく大切にしているチームで、この1冊を作ることができたということと、自分にとってはもちろん、みんなの一番の宝物になってほしいという願いを込めて、このタイトルをつけました。

――地元の神戸で撮影したいということも、ご自身で提案したんですか?

 僕というよりも、ずっと「神戸がいいよね」という話になっていたんです。なので、改めて正式に「どこに行きたいですか?」と聞かれたときに、「やっぱり神戸で撮りたいです!」と僕もお伝えしました。チームが共通認識を持って、自分と同じようなイメージをしてくれたおかげで、すんなりと決まっていった感じでした。具体的な場所だったり、地元の友人に出てもらうこと、実家のワンちゃんとの撮影……そうして好きなものを全部つめ込ませてもらって。僕の希望がすべて詰まった写真集になりました。

――地元の中でも特に「ここで撮れて嬉しかった!」という場所はどこでしたか?

 神戸の青空バックの写真はお気に入りです! あとは、何と言っても母校…! 母校の黒板に自分の名前を書いて、それが自分のファースト写真集に載るなんて、通っている当時は思いもしていなかったので(笑)。すごい経験をしたなあと思いました。

――懐かしの先生方にも会えましたか?

 いらっしゃいました! …けど、実は、その日は大雨で警報が出ていたんですよ(苦笑)。臨時休校になってしまったから、在校生のみんなには全然会えなくて…。みんなと会える気満々だったんですけどね、誰もいないという(笑)。でも捉えようによっては、誰もいないから、ものすごく撮影がしやすかったというプラスもありました。

――タレントとしては“持ってる”ということですね!

 そうです(笑)。そんなタイミングで大雨警報を引くって、やっぱりすごいじゃないですか!? 「生徒がいないから撮り放題ですよ!」という状況を作り上げた意味では、持ってると思います。でも、いち個人で言うと「今日に限って警報か……」という残念な思いもありました。どっちの見方もできるのが面白いですよね。それで言うと、前日も台風の予定だったんですけど、すごく晴れたんです。外ロケもちゃんと撮れたので、そのあたりも持ってるのかなと思いました(笑)。

――そして、商店街での撮影はリラックスした表情ですね。

 八百屋のおばちゃん、おじちゃんとかが僕を覚えてくれるぐらいの、昔ながらの地元の商店街なんです。こうした街並みも僕はすごく好きで、懐かしい気分で撮影していました。そこでは友人や母親が見に来てくれたんですけど、「幸平、そんな感じなんだ~」と見守ってくれていました(笑)。

――今回は惜しくも漏れてしまったけれど「ここでも撮りたかった」という場所はありましたか?

 掬星台(きくせいだい)という、日本三大夜景の一つと言われている神戸のすごくキレイなビュースポットがあるんです。もともとは、そこでも撮影する予定でしたが、前日に雨が降っていて、当日は晴れたので行けると思ったんですけど、山のほうだから霧がすごくて夜景が見られなかったんです。そこで「ちょっと場所を変えましょう」となり、急きょ、翌日に撮影する予定だった元町中華街の南京町に行きました。

――掬星台も樋口さんの思い出スポットだったんですか?

 思い出というか、地元の僕たちにとっては、いわゆるデートスポットなんですよ。高校3年生でみんなが免許を取り出したときに、友人や彼女を連れて行く定番の場所です。僕も免許を友達が取ったときに、「夜景見に行こう!」とみんなで行きました。何年かに一度、「今日の夜は流星群が流れるよ」という日があるじゃないですか?そういうときもみんなで行きましたし、星が降ってくるような光景が見られる本当にキレイな場所なんです。

2024.10.17(木)
取材・文=赤山恭子
撮影=佐藤 亘